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延岡新港で訓練−海中から救助など

本紙掲載日:2023-07-11
3面
実災害を想定して行われた延岡市消防署の水難救助総合訓練

安全で迅速な要領を確認−延岡市消防署

 海や川でのレジャーが増える夏休みシーズンを前に、延岡市消防署(河原武博署長)は、延岡新港第2波止場と周辺の海で水難救助総合訓練を行った。消防第1課と第2課に分かれ、2日間の日程で実施。7日は、消防第1課の隊員ら約15人が訓練。実災害を想定し、救助の活動要領を確認した。

 訓練は、「潜水隊員の着水」「入水」「浮きが付いたロープを放つ救命索発射銃の実射」「工作車クレーンを用いた要救助者の引き上げ」「救助艇のつり降ろし」―など、想定する事故の流れに応じて、順番に訓練した。

 海中に沈んだ要救助者(マネキン)を助ける訓練もあり、潜水隊と救助艇は連携して捜索。見つけた後は船上で胸骨圧迫を行い、救助艇を岸壁に付け、担架ごとクレーンで救助した。

 海での潜水訓練は今回、初めてだったという消防第1課の柳田涼祐さん(32)は「プールとは違って、海中は視界が悪く、流れもあったが、無事に救助でき、自分にとって大きな自信になった」と感想。

 河原署長は「全体的にスムーズに進行できて、安全で迅速な救助要領を確認する訓練の目的は、十分に達成できた」と総括。「水難事故は増水した川や、波の荒い海など、悪条件下で発生することがほとんど。(有事の際は)徹底した安全管理の下、培ってきた技術とチームワークで、救助活動に励んでほしい」と話していた。

 延岡市消防署によると昨年、市内では5件の水難事故が発生。今年は7日現在、幸い、事故件数はゼロで推移しているが、海や川で遊ぶ機会が多くなれば、今後、事故件数が増える可能性は十分にあり、署は「海や川で、子どもを一人にしないで」「危ない場所には近づかないようにしてほしい」などと訴えている。

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