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SOSの出し方−不安や悩みどう対処

本紙掲載日:2023-07-27
3面

東海中で前田九保大教授が講演

◆気分、体調・コントロールは難しい−自然な心の状態を受け入れて

 8月1日から夏休みに入る延岡市の東海中学校(井上譲司校長、432人)で21日、「SOSの出し方〜不安や悩みへの対処〜」と題した講演会があった。

 講師は、同校スクールカウンセラーの九州保健福祉大学臨床心理学部の前田直樹教授(50)。前田教授はまず、「中学生は多くの悩みを抱える時期」と話し、全国の中学生を対象にした調査で「不安や悩みがある」と回答した生徒は81・9%だったと説明。「不安や悩みがあるのは、至って普通のこと。自分だけが抱えている問題じゃないということを、覚えておいて」と呼び掛けた。

 また「自身のストレスに気付けていない場合もある」と、ストレスチェックのアンケートを実施。生徒たちは「不機嫌で怒りっぽい」「体から力が湧かない」など、計20問を1〜4点で採点。5問ごとに点数を合計して、体の不調や抑うつ・不安感情の高さを数値化していった。

 前田教授は、こうした不安や悩み、ストレスについて「解決すれば、もっと楽しい毎日が過ごせるのに、と思うかもしれないが、気分や体調は天気と一緒で、コントロールは難しい」と強調。無理に変えようとすると、逆に緊張や不安が大きくなってしまうといい「雨が降っている時、面倒くさくても傘を差して学校に向かうように、自然な心の状態を受け入れて、目の前のやるべきことに集中することが大切」と話した。

 例えば「人前で話す時は、ドキドキしたまま、話す内容だけに集中してみる」「勉強が面倒くさいと思ったら、とりあえずファイルを開いて眺めてみる」など「最低限できそうなことを、継続してやっていけば大丈夫」と説明。「心を変えることは難しいが、行動や態度は変えられる」とまとめた。

 講演会は、生徒たちに、困難な事態や心理的負担を受けた際の対処法を身に付けてもらおうと今年、初めて計画した。8月2日には教職員向けに、生徒からの「SOSの受け止め方」を学ぶ講習も予定しており、井上校長は「生徒が教職員に相談しやすい、風通しの良い校内の雰囲気づくりにつなげていければ」と期待している。

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