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原料の県産ホップ収穫−宮崎ひでじビール

本紙掲載日:2023-08-07
2面

県内外「株オーナー」16人も−延岡

 オール宮崎産ビール」づくりに挑戦している宮崎ひでじビール(延岡市行縢町、永野時彦社長)は7月29日、県内外の「ホップ株オーナー」16人とともに、同市北方町の農園で収穫作業を行った。摘みたてホップを生ビールに浮かべて飲むぜいたくな時間もあり、体験を通してビールのできる現場を学んだ。

 同社は2017年から、北方町蔵田のスローライフトゥ(亀長浩蔵社長)の協力を得てホップの仮栽培を始めた。ホップは、国内では東北地方など寒い地域が栽培に適しているとされ、県内での栽培は難しいと考えられていたが、収量に課題はあるものの成功。現在、同所と五ケ瀬町で栽培している。

 20年からは、県産ホップのPRやひでじビールの固定ファンづくり、契約農家の収入確保などを目的に、全国でも珍しい「ひでじホップオーナー制度」をスタート。期間限定で販売するセットを購入した人が、ホップ1株のオーナーになれる仕組みで、今年は全国から225人の申し込みがあったという。

 収穫作業には、市内はもちろん、東京や長崎などから幅広い年齢層が参加した。

 参加者は5メートルほどの高さに伸びたホップと対面すると、自分の名前の札が付いた株の前で写真を撮ったり、特有の香りと苦味のもとになる黄色の「ルプリン」を形成する毬花(まりばな)を探したりと興味津々。亀長社長(52)や社員に教わりながら、つるすべてを1本ずつはさみで収穫した。

 日差しも強く、気温も高い中、協力して作業。農園にはビールサーバーも設けられ、摘みたてホップを割ったものを浮かべて飲む姿も見られた。

 午後からは行縢町のビール醸造所に移動。社員も加わって総勢約30人がつるから毬花を取り外した。同市出身で、東京都から参加した那須朋美さん(38)は「私は体験だから楽しいけど、これを(仕事として日々)やっていると思うと大変。見てみないと分からない部分もあるし、ファン同士で仲良くなれるし、なかなかできない経験をさせてもらった」と満足そうだった。

 収穫したホップは乾燥後、今月上旬から仕込むオール県産ビール「フレッシュホップビール」に使用されるという。

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