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認知症への理解深める

本紙掲載日:2023-08-14
2面
延岡市民大学OB会の健康講演会

市民大学OB会−九保大教授が講演

 延岡市民大学OB会(石田武久会長)の健康講演会は7月30日、市社会教育センターであり、九州保健福祉大学臨床福祉学科の稲田弘子教授が「認知症の理解と対応」をテーマに話した。

 稲田教授は認知症について、病名ではなく「脳血管疾患やアルツハイマー病、その他の要因に基づく脳の器質的な変化により、日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能およびその他の認知機能が低下した状態」と定義されていることを説明。認知症と関わりの深い大脳の仕組みを図解した。

 それらを踏まえたコミュニケーション法として、常に笑顔で対応する▽常に敬語を使う▽相手と目線を合わせる▽相手に優しく触れる▽相手を褒める▽こちらから謝る態度を見せる▽不快なことは素早く終わらせる▽演じる要素を持つ▽気持ちに余裕を持つ▽相手に関心を向けることをアドバイス。

 認知症になる前は、同じ話をすることが多くなった▽食べた物や知人の名前、口座の暗証番号など、これまで忘れる可能性が低かったことを忘れている▽お金の計算やスケジュール管理ができなくなった▽料理の味付け、仕事や車の運転などの様子が変わった▽好きだった趣味活動をしなくなった▽ドラマや読書を楽しめなくなった▽頭がぼんやりしてすっきりしない▽疲れやすく元気が出ない▽やる気が出ないなどの軽度認知障害が生じることを説明した。

 また、認知症予防に効果のある食べ物や飲み物、有酸素運動の種類、社会交流活動などを紹介。このうち、知的刺激では異なる作業を同時にするデュアルタスク(二重課題)や料理、新聞などの音読、手と足をバラバラに動かす運動などを勧めた。

 今回は、昨年の市民大学講座で実施した講演が大変好評で、受講者から「もう一度聞きたい」「多くの市民の方にも聞いてほしい」との要望が高かったため、再び稲田教授を招き、一般市民にも広く呼び掛けて無料で開催。約70人が来場して熱心に耳を傾けた。

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