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チョコレートへの理解深める

本紙掲載日:2023-08-30
6面
ウェルナーさんにチョコレートの評価を伝える参加者

有名職人によるワークショップ

 世界的に活躍しているチョコレート職人のウェルナー・リュグゼガーさんによる「チョコレートテイスティング企画」が19日、延岡市のかわまち交流館であった。菓子作りを学ぶ高校生らが試食を楽しみながら、原料のカカオ栽培に携わる人たちの境遇などについても理解を深めた。延岡観光協会主催。

 ウェルナーさんはスイス国立製菓製パン職業学校を最優秀賞で卒業し、数多くの上級資格を取得。モロゾフや森永、ロッテ、山崎製パン、敷島製パンなど日本の有名企業、シェラトンホテルグループのコンサルタント、ロイズなど世界の第一線で技術指導に携わっている。

 この日はカカオ豆の栽培からチョコレートになるまでの工程を動画も交えて紹介。その後、味見の仕方として、総合評価は「外観」「割った感」「香り」「感触」「味」「最後の食感」、味覚評価は「カカオ味」「ナッツ味」「花の香り」「果物の味」「甘み」「苦み」「渋み」「酸味」の項目をそれぞれ5段階で表すよう指導した。

 参加者は配られた複数のチョコレートを手で割ってから香りを確かめた後、かけらを口に含んでじっくりと味わいながら評価表を記入。ウェルナーさんに感想を求められると、「味と香りがしっかりしていて甘みも強い」「カカオとナッツの風味が感じられ最後には果物のような香りが広がる」などと説明し、好みの種類を答えていた。

 最後にウェルナーさんは、世界に流通するカカオの7割以上は西アフリカのガーナとコートジボワールの2国で生産されているが、その背景には低賃金や児童労働といった過酷な環境があることを報告。子どもは学校に通うこともできず、状況改善のためにはまず、農協組織を立ち上げることが大切だと訴え、自らも支援活動に当たっていることを紹介した。

 その上で、チョコレートなどを購入する際にはなるべく、開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指し国際的に認証された「フェアトレード」の商品を選ぶよう希望。参加者からは「いつも食べているチョコレートの裏に子どもたちの問題があることを知った」「作る人たちのことを思いながら食べたい」などの感想が聞かれた。

 延岡学園高校調理科1年の木村笑菜さんは「カカオによっても苦みや甘み、口当たりも異なることが分かり新鮮だった。そうした農園のことも考えながらお菓子作りをしたい」と話した。

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