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本紙掲載日:2023-09-05
6面
完成した「華龍書体」のパッケージ版を手にする西村さん

書家、西村一華さんの「華龍書体」

 延岡市富美山町の書家・西村一華=本名・亜希子=さん(55)が書いた筆文字を、パソコンなどで手軽に、幅広く使えるようにした「華龍(かりゅう)書体」がこのほど、毛筆ブランドの昭和書体(鹿児島県薩摩郡)から発売された。「使う人が元気になってくれれば」と望んでいる。

 書について、「美しい文字が言葉以上の意味や感情を表現できる不思議な芸術」と西村さん。知っている書家の文字が飲食店の看板などに使われているのを目にし、「知らない人に、私の筆文字を使ってもらえるといいな」と憧れの気持ちを持っていたという。

 今回、昭和書体との出合いがあり、「一華書道教室」を開いて25周年の記念にフォント化を実現。昨年5月から、時間を見つけては10センチ角の正方形の枠の中に1文字ずつ書き、今年の7月末に最後の文字を書き上げた。漢字、カタカナ、ひらがな、英数字、記号類など、全部で7824文字が収録されている。

 「元気が出る太めの文字を意識した。今まで続けてくることができた感謝の気持ちも込めた」と西村さん。「筆って万能な筆記用具。ちょっとした筆圧、傾きで変わっていく奥深さがある。もっと書道を盛り上げていきたい」と、振興のきっかけになることも願っていた。

 華龍書体は、昭和書体やデザインポケットのホームページから購入できる。パッケージ版が2万4200円、ダウンロード版が1万3178円。発売記念として10月31日まで、いずれも半額で購入できる。

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