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森に癒やされ、郷土料理に舌鼓

本紙掲載日:2023-09-25
6面

日之影町で森林セラピー

 日之影町森林セラピー推進協議会が主催する森林セラピーイベントは23日、同町七折の日之影キャンプ村を発着点とするウオーキングコース「石垣の村トロッコ道」であった。町内外から11人が参加し、透明度の高い日之影川の渓流に面する自然道を歩きながら癒やしのひとときを満喫した。

 同町は2006年、NPO法人森林セラピーソサエティの森林セラピー基地(癒やし効果が科学的に評価された森林浴が行える場所)に全国で初めて認定。町土の約91%を占める豊かな森林を活用し、定期的にセラピーイベントを開いている。

 今回のイベントは、新型コロナウイルスの影響で減少傾向にあるウオーキングコースの利用者を再び増やすことなどが目的。町の魅力をより感じてもらおうと、火おこし体験や青竹をくり抜いて作った筒に鶏肉や野菜を詰め、竹ごと蒸し焼きにする郷土料理「かっぽ鶏」作りを新たな試みとして組み込んだ。

 この日はまず、町の「癒やしの森の案内人」として17年間活動している工藤晃一郎さん(82)=同町見立=のガイドでウオーキングへ出発。太平洋戦争の後、復興用の木材を運搬するトロッコ列車が走っていたことに由来する遊歩道約2・5キロをゆったりと歩き、木々の揺れる音や川のせせらぎに安らいだ。

 膨大な石垣が棚田を守るように建造されている戸川地区(通称・石垣の村)に到着すると、休憩を挟んで再度、キャンプ村へ。自らおこした火で調理したかっぽ鶏に町産のシークワーサーをお好みで垂らし、おむすびと一緒に頬張った。

 初めて参加したという馬服計志さん(54)=延岡市平原町=は「自然が大好きで、かっぽ鶏も食べてみたかったので参加しました。ウオーキングもかっぽ鶏も最高でした」と満面の笑み。

 案内を担当した工藤さんは「思う存分自然と触れ合い、日頃のストレスを解消してほしい。イベントをきっかけに日之影町を好きになってもらい、定期的に足を運んでいただける人が増えるとうれしいです」と話した。

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