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ココカラSDGs−第30回「お掃除のプロと共に清掃から考えるSDGs」

本紙掲載日:2023-09-27
6面

◆モチベーション源泉は子どもたち―税田和さん
◆挑戦し続けることフィールドに―税田倫さん
◆少しずつ身近な課題に目を―本田さん
◆答えではなく問題にこそ価値―難波さん

 今注目のSDGs(エスディージーズ)をテーマに、地域や地球の未来を共に考えるFMのべおかの番組「ココカラSDGs」の第30回「お掃除のプロと共に清掃から考えるSDGs」が、21日に放送された。内容を一部抜粋して紹介する。

 アドバイザーはSDGsコミュニケーターの難波裕扶子さん(50)=シンク・オブ・アザーズ代表、日向市亀崎西=。ゲストはグローバル・クリーン=日向市亀崎=の代表・税田和久さん(50)、専務・税田倫子さん(47)、営業部の本田百合香さん(25)。なお、収録は12日に行われた。

▽提供:旭化成、グローバル・クリーン
□再放送□28日午後8時

−−今回のテーマは「お掃除のプロと共に清掃から考えるSDGs」です。

〈難波〉9月25日はSDGsが採択された日「グローバル・ゴールズ・デー」です。SDGsへの認知や関心も全世界的に高まっていますが、いまだに多くの課題が残されている状況です。
ただ、2030年の達成年度まで折り返しを迎え、私たちが住む日本では具体的なアクションを起こす「SDGs2・0」時代に突入したと言われています。多くの人が社会課題への関心や危機感を持っていますが、その解決の手だてをビジネスとして確立させることに難しさを感じる人は少なくありません。
その困難にSDGsが生まれるずっと前からチャレンジし続けていらっしゃるグローバル・クリーンの皆さんと共に、社会課題の解決策をビジネスとして確立させるためには何が必要なのか、そのヒントを探っていけたらと思います。

−−では税田和久さん、自己紹介をお願いします。

グローバル・クリーンは現在、創業24年目の会社です。仕事の中心は清掃にまつわるビルメンテナンス業、不動産業などです。2年前からはビジョン動画広告事業も始めました。また、個人的なことですが、息子が3人おりまして、かわいくて仕方ありません。

−−続いて税田倫子さん、自己紹介をお願いします。

清掃ということで、私たちの会社にはパート、アルバイトの方たちがたくさん働いています。きょうの話でも出てくると思いますが、その働く人たちの周辺にもやはり、女性の社会進出、障害者雇用などの社会課題があります。そんな自分たちと近い社会課題に対しても、いろいろと勉強させてもらいながら仕事をさせてもらっています。

−−続いて本田さん、自己紹介をお願いします。

主に商品販売を担当しています。今は10月の弊社ネットショップリニューアルオープンに向けて取り組んでいます。また今回、宮崎県の人権啓発推進事業に採択され、12月に宮崎市内でイベントを開催する予定で、そちらの準備も進めています。
映画「チョコレートな人々」の上映後、障害者の人権啓発にまつわる活動を行っている4名を迎えてパネルディスカッションを開催する予定です。
多様な方々が働いている「久遠チョコレート」という会社のドキュメンタリー映画なのですが、谷あり山あり、きれいなだけじゃない場面も赤裸々に映されており、試行錯誤しながら多様な方々が働ける職場づくりに取り組んでいる、そんな映画です。
私自身初めての挑戦なので、勉強しながら取り組ませてもらっています。

〈難波〉本田さんに質問です。SDGs達成目標の2030年まで7年半を切りました。どう感じていますか。

〈本田〉SDGsは少しずつ広まってきていると思いますが、まだまだ取り組みは進めていかないといけないと思います。
特に情報格差が広がってきているのではないかと感じています。SDGsのゴールでもある「誰一人取り残さない」に向けて、さらに進めていくべきだと思います。
例えばSDGsに対してすごく関心を持って、自分から調べて知っていく人たちもいる中で、情報がまだそこまで自分のところに届いてない人たちもいます。そこを、こういったラジオ番組もそうですが、情報を発信していく取り組みが必要ではないでしょうか。

−−グローバル・クリーンはSDGsの達成に向け、いつから取り組まれているのですか。

〈税田和〉実はグローバル・クリーンは、SDGsを意識して取り組んできたわけではありません。さきほど創業24年目と言いましたが、きっかけは20年くらい前でしょうか。僕たちの仕事の一つに、新築の一戸建てができた時などに最後、きれいに掃除をして建てられた方にお渡しする引き渡し清掃というのがあります。
その作業をやってる時に「もうそろそろ完成だね」と、小さな子どもを連れた家族が見に来られました。その時、僕たちは最後の仕上げにワックスをフローリングに塗っていました。実はワックスの成分には有害物質が結構入っています。それを知っている僕たちは、そんな状況に何か違和感というか抵抗感というのを感じて、やっぱり人にとって安心安全なもので仕上げていきたいと思うようになりました。

〈難波〉そこからどうアクションを起こしてきたのでしょうか。

〈税田和〉そこから「安心安全できれいにする」ということを追求していきました。洗剤、ワックス、道具なども含めて勉強し始めました。そして環境配慮型のものがあることを知ったのです。
弊社が採用してるのはカナダ、ヨーロッパなど環境先進国の製品です。でも日本で使おうとしたら、輸入しないといけないため原価が高くなります。それでも、そこにチャレンジしていこうと取り組みを始めました。現在は、それをさらに進化させています。究極は、化学物質を全く使わなくてもきれいにできるところまで実現できたらと思っています。

−−なぜファーストペンギン(リスクを恐れずチャレンジする人)になれたのでしょうか。

〈税田倫〉あの頃は「環境配慮型っていいよね」、だけれども「環境配慮型って高いよね」というのが同時にあった時代でした。お客さまが環境に配慮しているものよりも、値段の安いものを選ばれるのであれば、やっぱり値段を安くしないといけない。その道を選択するかしないかだと思うのですが、自分たちで自問自答しながら話し合った中で、やっぱり自分たちが実現したい世界観を大事にしようという結論に至りました。
営業的には非常に厳しい結論だと思いますが、そこで挑戦し続けることを自分たちのフィールドに定めることで覚悟ができます。そうなると計画の中に「やめる」ということも出てきませんので、迷わなくなります。あとはどうやって乗り越えようか、となるわけです。

−−自分の仕事が社会課題の解決につながってほしいと望んではいても、なかなかかなわないケースが多いと思います。

〈税田和〉僕はもう、諦めることを諦めていますので、かなわないからチャレンジしないという選択はなくて、何かしら糸口が、光が不思議とどんどん近づいてきます。

〈難波〉何かを達成するために、何かを犠牲にしなければいけないことをトレードオフと言います。例えば、地球温暖化が進んでます。じゃあ「エアコンを我慢しましょう」となると、熱中症になってしまいます。ではどうすればいいのか。難しいけど、何か方法があるのではないか。そこで、このトレードオフをトレードオンにしようとアクションを起こすことによって、イノベーションが起こる可能性が高まります。

−−環境配慮型の洗剤などを使うとコストがかかり採用されにくいというトレードオフを、グローバル・クリーンはどのように解決したのですか。

〈税田和〉私たちは環境配慮型のものを使いたかったため材料費を高くしたまま、どこでコストを削減できるのかを考えました。やはり、人件費が一番コストがかかります。そこで、効率化を進めるために人の代わりになる機械を導入したところ、3人を必要とする作業が、機械化されたことで2人でできるようになりました。

〈税田倫〉「環境配慮型の洗剤を使って提供しているためコストがかかってしまいます」というサービスが選ばれない時代にあって、それでも弊社は環境配慮型の洗剤を使うことを標準仕様にしました。
環境整備としてどれだけ品質が上がるのかを分かっているので、弊社の日常清掃では基本的に、10年以上前からその仕様で行っています。

〈税田和〉また、弊社のクリーンコンサルでは、僕らが行うと費用が高くなるので僕らの仕組みでお客さまに行ってもらいます。その時に僕らが指導します。そういった形で導入できたお客さまもいます。
僕たちのやり方でお客さまが行えば、僕たちに支払う費用がかからず、指導の費用のみを支払うことになります。そうすると両方の思いがつながって実現できます。

〈難波〉そうすることで、お客さまとの関係性の質が高まって信頼につながって、これから使う洗剤はあえてグローバル・クリーンのものを使いたいという選ぶ理由が生まれます。そして、利益をもらう、かつ環境を配慮しながら自然とアクションにつながっていきます。
清掃サービスの付加価値を高めたいけれど、なかなか人材が集まらないというのもトレードオフとしてあると思います。

〈税田倫〉職場が働きやすくなれば社員は続けてくれます。現在、有休が正社員に当たり前に付与されていますが、弊社が法人化した16年前からアルバイトの人にも有休を支給していました。パートやアルバイトに有休を付与させることは、当時は大変珍しいことでした。そういう点も弊社を選んでもらえる理由の一つになっていると思います。

〈税田和〉弊社では女性、高齢者、障害者、若者といった多様な人が活躍しています。SDGsが生まれる前から、そういった人が活躍できる働きやすい職場環境に力を入れています。

〈難波〉グローバル・クリーンのように新しい市場をつくってきた一つの例が自動車メーカーのテスラです。CEOのイーロン・マスクは、地球温暖化を止めたいから化石燃料を使わない電気自動車を造りました。ただそれだけです。
人類に残された仕事は「問題をつくる」と「意味をつくる」の二つだと言われています。世の中が満たされていなかった昔は、みんなが問題を教えてくれていました。しかし、今は問題を見つけることがとても大変で、問題にこそ価値があると言われる時代になりました。だからこそ、答えではなく問題にこそ価値があるのです。
「これっておかしいよね」と問題をつくって提案できることが、不確実なVUCA(ブーカ)の時代に大きな価値があります。しかし、ありたい姿を描けないと問題を見つけることができません。
テスラのように他の企業は問題を見つけることができません。しかし、グローバル・クリーンは問題を見つけ出し、挑戦しています。ありたい姿を教えてください。

〈税田和〉子どもたちに平和で豊かな社会をつなげることが大人の責任だと思います。そのような社会をつくりたいです。それだけです。

−−「理想の社会を実現したい」という思いを持ち続けるモチベーションの源泉は何ですか。

〈税田倫〉清掃現場の社員の立場は、きつい、汚い、給料が安いと言われていました。業界全体の問題と考えた時に自分たちだけではなく、みんなで変わっていくことを決めないと健全に市場を創造できません。それを決めた時にさまざまなところで情報を発信し、誰も見ていないところで起こっている問題を知ってもらうことが源泉だったと思います。

〈税田和〉弊社の経営理念の考え方でもありますが、クリーンな力で世界は変わると思っています。このクリーンは掃除だけではなく、クリーンな心を持った人がたくさんいれば世界が変わると捉えています。そのクリーンにチャレンジしています。このモチベーションの源泉は今の子どもたちです。

〈本田〉今は情報があふれて生きにくい時代だと思います。この先もっと生きにくい世の中になると考えると、今のうちから、いろいろな人が自分らしく生きることができる時代が必要です。身の回りにいる大事な人が幸せになるには、少しずつ身近な課題に目を向けることが必要だと思います。

−−最後に、皆さんに伝えたいことはありますか。

〈税田和〉私が言い続けていることはチェンジ、チャレンジ、チャンスです。変わってチャレンジすればチャンスは絶対に来ると思っています。

〈税田倫〉ストレスから生まれた願いでもいいですし、ポジティブから生まれた願いでもいいのですが、自分たちがどういう世界だったら幸せなのかを考え、行動に移していくことをこれから先もやっていきたいです。

〈本田〉12月7日に宮崎市民プラザで「しょうがいのなくなる日」というイベントを開催します。映画「チョコレートな人々」を上映後、パネルディスカッションがあり「多様な方々が活躍できる社会とは」をテーマに意見交換を行います。ぜひお越しください。

〈難波〉社会を引っ張っているグローバル・クリーンですが、リーダーシップは言葉が巧み、頭が良いというものではありません。その人の喜怒哀楽が人の心を動かします。そして、共感する人が生まれ、新しいビジネスや市場をつくっていきます。これを改めて感じました。(おわり)

□第31回の内容□
〈テーマ〉「世界を旅する音楽家が向き合うサステナビリティ」
〈ゲスト〉けやき(日向市)代表の成澤けやきさん
〈放送日〉10月19日午後1時から
〈再放送〉10月26日午後8時から、29日午前11時からの2回

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