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合併浄化槽への転換促進も−市民検討委員会
日向市公共下水道計画区域の見直しについて、同市公共下水道事業計画市民検討委員会(委員長=桑野斉・宮崎大学地域資源創成学部長、9人)は10日、整備区域の見直しと併せて、合併処理浄化槽への転換促進策などを検討するようまとめた提言書を十屋幸平市長に提出した。
同委員会は、市が人口減少社会の到来など時代の変化に応じた持続可能な下水道事業への見直しを図るため、今年2月に設置。学識経験者や団体、市民、県の関係機関からの委員で構成し、将来の汚水処理の在り方について議論してきた。
提言では、人口減少や少子高齢化などが急速に進む中、整備期間の長期化や今後の事業経営などから、整備区域の見直しはやむを得ないと判断。「公共下水道の区域見直しと併せて、合併処理浄化槽への転換促進策を検討すべき」とした。
このほか、見直し区域に当たる住民への丁寧な説明や対応、公共下水道と合併処理浄化槽の初期費用にかかる差額の軽減策について検討することなどを求めた。他市町村と連携し、国・県に対して合併浄化槽設置に関する補助の拡充などを要望することも提言した。
桑野委員長は「今後の下水道事業は、より一層、効率的かつ地域実情に応じた整備が望まれる。提言内容を十分に賢察し、今後の事業施策に反映を」と述べた。
提言書によると、1973年に事業着手した同市の公共下水道は、全体計画区域1381ヘクタールに対し、これまで860・7ヘクタールを整備。下水道処理人口普及率は2021年度末現在、58・7%と全国平均の80・6%を大きく下回っている。
国が26年度までに公共下水道事業の概成を目指すよう方針を示す中、同市が全体計画区域の全域を整備する場合、今後さらに70年以上かかる見込み。
一方で、供用開始から36年が経過した下水道処理施設の老朽化対策のほか、南海トラフ巨大地震など自然災害に対する備えも求められる。
十屋市長は「持続可能な公共下水道を目指して、提言いただいた通り、現在行っている区域を概成し、その後に区域を見直したい」と話した。