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地場産業で授業以上の学び

本紙掲載日:2023-10-23
2面
「昭和」で研修中の生徒の様子を視察する参加者
「昭和」で黒木専務(右)の説明を聞く参加者

延岡工高生の研修視察−県高校PTA連合会

 県内の工業高校のPTAでつくる県高等学校PTA連合会工業科部会は19日、延岡市大武町のINOBECH協同組合(旧延岡鉄工団地協同組合)を訪れ、地場産業と連携した学習を行っている県立延岡工業高校の取り組みを視察した。

 延岡工高は、2021年度から文科省指定の「ひむか未来マイスターハイスクール事業」として、長期の現場研修や産業実務家教員による授業など地域の産業と連携した学習を実施。今年4月からは機械科2年の兒玉芹滋郎さん、荒砂光琴さん、加納学さんが市内の5事業所を回りながら、それぞれの技術や特色を学んでいる。この日は、その現状と成果を確認するため、県内工業高校の教諭や保護者ら15人が訪れた。

 一行は延岡工高の大崎博志教頭から事業の説明を受けた後、研修が行われている昭和(黒木保善社長)を訪問した。

 同社は、金属加工のほか医療機器開発などの事業を展開しており、黒木雄介専務が、鋳物(いもの)から始まった創業の歴史や精密機器のための金属加工などに至る現在の事業内容、女性社員・女性役員が活躍している労働環境などについて紹介。参加者は、多彩な加工機械が並ぶ工場内で切削加工や溶接の現場を見て回り、3人の生徒が仕事に打ち込んでいる様子を視察した。

 大崎教頭は研修以外の成果として、「旭化成の協力で、従業員向けのeラーニングを使ってデジタル技術の基礎知識が段階的に習得できるようになったこと」「地域と連携した学びの場をつくることができたこと」などと紹介。「学校の授業以上のことを学んでいる」とした。

 参加者からは「研修を行うのは機械科の生徒だけか」「来年以降はどうなるか」と質問が挙がり、大崎教頭は「機械科以外でも可能な学科で実現したい。何年かかかると思うが、他の科にも広げたい」と次の展開に言及していた。

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