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小学生が稲刈り体験

本紙掲載日:2023-11-01
6面

◆農業の苦労や喜び知る−はらわく体験隊

 延岡市の自然や歴史、文化に触れ、郷土愛とたくましく生きる力を育む「はらはらわくわくふるさと体験隊」(市教育委員会主催)の稲刈り体験は、10月21日に同市細見町であった。市内の小学生約60人が参加し、6月の田植え体験で植えたもち米の稲を収穫した。

 細見町の上南方小中学校で、鎌の扱い方と田んぼまで移動する道中にどんな危険が潜んでいるかをKYT(危険予知トレーニング)で確認した子どもたちは、10人ずつ6班に分かれて田んぼへ向かった。

 到着後は、田んぼの所有者で同体験隊少年団体指導員の小谷喜美雄さん説明の下、無線操縦ヘリコプターとドローンによる農薬散布を見学。延岡スカイサービスが操縦を担当し、農薬を水で代用して実施した。わらを巻き上げながら浮き上がる機体とプロペラの音に、児童からは「すごい」と歓声が上がった。

 コンバインによる稲刈りのデモンストレーションもあり、自動化の進む最新農業の一端に触れる機会となった。

 機械の次は、昔ながらの農業を体験。鎌を手に横一列になって一斉に稲刈りスタート。「根元から刈って」「引くだけでサクッと切れるよ」などアドバイスを受けながら収穫を行い、コンバインを使って脱穀。落ち穂拾いまでしっかりとこなし、稲を無駄にすることなく最後までやりきった。

 もち米は乾燥と精米をして、来月には参加者に配布されるという。

 萱野達成さん(熊野江小6年)は「稲の切り方を学べて良かった。体験したことで、農家さんが苦労して育てていると分かってありがたみを感じた」と感想。

 初めて鎌を持ったという家村実織さん(南小2年)は「最初はドキドキしたけど、慣れたら楽しかった。もっといっぱい刈りたいと思ったし、お米もいっぱい食べたいと思った」と笑顔だった。


◆感謝しながら刈り取り−緑ケ丘小5年生

 延岡市立緑ケ丘小学校(長友紀校長)の5年生35人は10月23日、自分たちで苗を植えて成長を見守ってきた同市沖田町の田んぼで、稲刈り作業を体験した。

 生徒たちは地元農家の山内憲次さん(55)が所有する田んぼのうち5アール(100平方メートル)を借りて、JA延岡の協力で6月に田植え。現場は学校から1・8キロほど離れており、教員が撮影した写真などを通して成長観察を続けてきたという。

 この日も、軍手と長靴姿になった子どもたちが同JAに用意してもらったのこ鎌を手に田んぼへ入ると、早速、わら束をつかんで作業を開始。最初は鎌の使い方に苦労していたが、すぐに慣れて、ザクザクと心地よい感触を楽しみながら、次々と刈り取っていった。

 ある程度収穫した後はコンバインを使った刈り取りを見学。5分もせずに一面の稲がなくなる様子に、児童らは「早い」と機械のありがたさを実感していた。また、農薬散布に使われる無線操縦ヘリの飛行も見学した。

 児童の黒木路五(るい)さん(11)は「友達と一緒に稲刈りができてうれしかった。山内さんたちの協力のおかげで稲が大きく成長できたと思うので感謝しています」と話した。


◆期待以上の収穫に笑顔−伊形小5年生

 延岡市立伊形小学校(甲斐憲一校長)の5年生48人は10月23日、学校近くの実習田(津野英子さん所有)で稲刈りに挑戦し、収穫の喜びを味わった。

 同校は稲作についての学習や、日ごろから見守ってくれている地域住民や保護者らとの交流を目的に毎年、5年生を対象に体験学習を実施。児童らは6月に田植えをして、稲の成長を見守ってきた。

 この日は伊形町の農業稲吉悦夫さん(76)の指導で一人ずつ鎌の使い方を習った後、まずは、田植えの時に苗を1本植えしたというもち米の稲を収穫。児童は小さな苗が束にまで成長したことを確認し、何粒のもみが出来上がったのかを数えた。

 ある程度刈り終えた後はコンバインでの収穫作業を見学し、約200平方メートル分の稲を一気に刈り取っていく機械のありがたさを実感。子どもたちは後日、乾燥したもち米の重さから、全体で何粒収穫できたのかを推計し、米作りの大変さや喜びを改めて学ぶという。

 また、12月には日ごろお世話になっている地域の人たちを招いての餅つきも予定。自分が刈り取った稲から539粒のもみが収穫できた児玉一徹さん(10)は「思っていた以上に多くできて驚いた。稲刈りは大変だけど、みんなと一緒にできて楽しかった」と振り返った。


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