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飼い主と地域の連携不可欠

本紙掲載日:2023-11-07
2面

ペット防災−加藤教授(九保大)講演

 延岡市主催のペット防災講演会は10月29日、延岡総合文化センター小ホールで開かれ、手引書の「たすかるノートwithペット」を監修した九州保健福祉大学臨床心理学部の加藤謙介教授(ペットサポート協会監事、防災士)が「みんなで決めて、みんなで逃げる人もペットも助かる災害対策」をテーマに話した。

 加藤教授は2016年4月の地震、20年7月に豪雨災害に見舞われた熊本県の被災地で、ほとんどの飼い主がペットを連れて避難していたと報告。ペットと一緒に安心して身を寄せられる避難所を見つけきれず、車中泊やテント泊をした飼い主も多かったが、猛暑や大雨が妨げとなり、その後の仮設住宅生活も飼育を巡っての課題が続いたことを振り返った。

 一方で、避難者が大勢いてもペットとの同行避難ができたり、飼育区画を分けて受け入れたりした避難施設があったことも紹介。災害時に誰も排除されず地域みんなが助かるには、幅広い視点に立った防災・減災の実現を目指す必要があり、「飼い主や地域の人たちとの対話や連携が欠かせない」と訴えた。

 まずは、飼い主が家具固定や耐震補強など自宅の防災から着手し、日ごろから、しつけなどペットの適正飼養に努めておくことが避難先でのトラブル回避につながると説明。避難用品や備蓄品の準備、ペットとはぐれても迷子にならないよう首輪や迷子札の着用、避難所以外の避難先も見つけておくことも勧めた。

 加藤教授は来場者に質問を投げ掛けたり、熊本の被災地で出会った飼い主たちとの思い出や、自らの体験談も交えたりしながら講演。会場には客席を埋める来場者が訪れ、熱心に耳を傾けていた。

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