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地域で盛り上がり、きずな深める

本紙掲載日:2023-11-07
6面

川坂地区で大運動会−延岡市北川町

 延岡市北川町川坂地区の秋季大運動会は5日、川坂母子健康センター広場であった。一昔前まで各地で行われていた地区の運動会の多くが開かれなくなった中、地域住民やその子、孫ら100人以上が参加して盛大に行われ、競技を通して地域のきずなを深めた。

 川坂地区の運動会は、旧北川町時代、4年に1度開かれていた町民運動会が実施されない年に開催。町民運動会がなくなってからも続け(2020、21年は中止)、今年40回の節目を迎えた。

 住んでいる地域で赤と白の2団に分かれ、徒走やパン食い競争、大玉転がし、綱引きなど8競技で熱戦。出場者のことを知り尽くした司会者が、「あんたいい服着てるね!」「もっとちゃんと走らんけ」などと名指しで紹介し、盛り上げた。

 最後は全員で輪になってばんば踊り。安藤俊則区長(64)は、「やっぱり楽しかった。こうやって別の地区に住んでいる子や孫、ひ孫が戻ってきて参加してくれるのは、いろんな行事があるからかなと思う。常にふるさとだと感じてもらい、子どもの声がこだまする地区で在り続ければ」と話した。

◆4年ぶりに亥の子相撲も−子ども安全祈って奉納

 5日午後からは、川坂母子健康センターグラウンドの一画に特設した土俵で「亥(い)の子相撲」が4年ぶりに開かれた。小学生以下の子どもたちが土俵に上がって熱戦を繰り広げ、元気いっぱいの姿で、見守った家族や地域の人らを喜ばせた。

 亥の子とは、旧暦の10月(亥の月)で最も早く訪れる亥の日のこと。地域の人によると、同地区には昔、池があり、水難事故で子どもが犠牲になることがあったという。

 そこで、この日に相撲を奉納することで子どもの安全を祈るようになった。相撲の奉納によって子どもの犠牲は出なくなったため、少なくとも70年以上は続く伝統行事となっている。

 区が主催し、小学生の子を持つ親世代が中心となって毎年準備。今年も、前日の4日には神事が行われ、地区内の用水路や川に架かる橋のそばには御幣が立てられた。

 かつては男の子しか土俵入りは許されなかったが、女の子も参加。「初土俵」の紹介では、自分では歩けないほど小さな子どもが、行司に抱かれて土俵を1周し、見物客から歓声が上がった。

 未就学児は、なかなか組み合わなかったり、相手を見ずに行司の顔ばかりを見たりとかわいらしい姿を、小学生は気迫のこもった熱い取組を披露。

 地域の人たちは、かっぽ酒に山太郎ガニ、餅、赤飯などのごちそうをつまみながら、子ども力士の取組を見守り、応援した。

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