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大規模訓練で連携強化

本紙掲載日:2023-11-08
2面

震度7の激しい揺れ、大津波警報発令

◆捜索・救出活動など−避難所運営も・日向市

 地震・津波を想定した日向市総合防災訓練が5日、市指定緊急避難場所の財光寺中学校を主会場に行われた。市内25地区での避難訓練や県防災救急航空隊(防災救急ヘリコプター)による急患救助訓練などを実施。市民をはじめ、市、市消防本部、市消防団、日向警察署、県防災士ネットワーク日向東臼杵支部、自衛隊など16団体約1500人が参加し、防災意識の高揚と連携強化を図った。

 訓練は、南海トラフを震源とするマグニチュード9・1の地震が発生し、同市で震度7の激しい揺れを記録。太平洋沿岸部に大津波警報が発令されたとの想定で実施した。

 松原区では午前8時に災害発生を知らせる、スピーカーを付けたドローンが上空から啓発。約60人が海抜13メートルの松原避難山へ一時避難した。避難者に体調が優れない人がいるとして、防災ヘリによる救助訓練も行われた。

 その後、同所の避難者は歩いて財光寺中学校へ移動。そのほか、津波により住宅が壊滅状態となったとの想定で長江避難タワーや日向高校など6カ所に身を寄せた住民は、バスを利用して同校体育館へ避難した。

 同校体育館では、集まった約200人が12班に分かれて避難所開設・運営の図上訓練を実施。学校の全体図や各教室が記された施設資料を用いながら「居住空間は主に教室を使う」「共有空間は生活する場と距離を離す」など、それぞれの意見を出し合っていた。

 各班の案が完成後、市防災推進課の黒木恵太郎主任主事が解説。居住空間では1人当たり3〜4平方メートルがめどであることや、仮設トイレは配慮しすぎて隠れる場所に設置すると犯罪の危険性もあることなどを説明し、「訓練で頭に入れておくことで災害時の対応が変わる。今後も協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 また、消防団とバイク隊による安否不明者捜索と本部による救助訓練、自衛隊による炊き出し訓練、防災備品展示なども同時に行われた。

 松原区の河野正夫区長(76)は「年に1度、区の訓練をしているが3年できていなかった。備蓄の確認や避難所開設の勉強もできたので来年以降の訓練と、もしもの災害時に生かしたい」。

 市防災推進課の木田和美課長は4年ぶりの本格的な訓練を振り返り、「財光寺は津波が懸念される地区。多くの市民が参加してくれて意識の高さを感じた。まずは自分の命を守ること、そして家庭でできることは準備してほしい。避難者同士の協力も大切」と話した。

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