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柴田美保子さん「天語り」

本紙掲載日:2023-11-22
3面

神話の世界を中学校で

 延岡市が神話と深い関わりがあることを知ってもらおうと、女優の柴田美保子さんによる「古事記天語り」が15、16日、延岡中、岡富中、東海中の3校であった。合わせて約1050人の生徒が鑑賞し、身近な場所に神話が残っていることを学んだ。

 天語りは、柴田さんの夫で脚本家、小説家などとして活躍した故・市川森一さんが手掛けた脚本を元にした一人語り。延岡観光協会(盛武一則会長)の協力で、昨年に続いて公演が実現した。

 このうち15日午前には延岡中学校(粟田茂樹校長、283人)で鑑賞教室が開かれ、日向神話研究会の北林幹雄さんが、延岡に伝わる神話について説明。

 かつて「笠沙(かささ)の岬」と呼ばれていた愛宕山で、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメが出会い結婚。生まれた子の一人がホウリノミコトで、祝子川の水を産湯として使ったことから、祝子の地名が付いた。神様として誕生したニニギノミコトが亡くなられた時、北川町の可愛岳(えのたけ)の麓に神様として初めて墓がつくられ、現在も宮内庁認定の御陵墓参考地が残る――などを紹介した。

 続いて、延岡市内でダンスやバレエを指導している3人が「三女神」の舞。バレエダンサーの湯川萌可さんがアマテラス役、ダンサーで振り付け演出家の荒武治実さんがアメノウズメ役、河野麻衣さんがコノハナサクヤヒメ役を務め、息ぴったりの舞で、神話の世界を美しく、華麗に表現した。

 天語りでは、語りの場面を描いたイラストがプロジェクターで映し出され、音楽が流れる中、「ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの恋物語」を、柴田さんは声色を変えながら複数の役を演じ、中学生にとってなかなか親しむことが少ない神話を、語りによって分かりやすく伝えた。

 歌津輝星さん(1年)は「情感たっぷりな語りやダイナミックなダンスを通し、少し古事記や神話を身近に感じることができました。宮崎に住んでいながら、地元に伝わる神話などを知らなかったので、これを機会に神話に関する本を探してみたい」と話した。

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