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本紙掲載日:2023-12-14
3面
骨端症について説明する公文院長

「成長期に特徴的なスポーツ傷害」くもん整形外科スポーツ・骨関節クリニック公文崇詞院長

◆骨端症・牽引型や剪断型などに分類−医療機関でしっかり治療を

 骨端症というのは、骨端線またはその周囲に生じる障害で、適切な時期に適切な指導・治療がされないと後遺症が残るようなものです。しっかりと病院にかかって診断を受けて治療をする必要があります。

 病態は原因から分類して、けん引型、剪断(せんだん)型、圧潰型というように分けられています。スポーツ傷害では牽引型と剪断型が主なものとされています。

 牽引型の一番代表的なものに脛骨(けいこつ)粗面部の「オスグッド・シュラッター病」というものがあります。小中学生に多く、原因は太ももの筋肉ですね。大腿(だいたい)四頭筋が硬いのでストレッチが効いていないとどんどん引っ張られて骨ごと剥がれていきます。

 大腿四頭筋が硬いことによって膝のお皿の下の部分が剥がれるのが「シンディング・ラーセン・ヨハンソン病」。1カ月くらいの安静で骨はきれいにつきます。放置するとどんどん剥がれていくこともあるので、早く診断して安静の指示をすることが大切です。

 踵(しょう)骨の「シーバー病」は小学4、5年生でスパイクを履く競技をする子に多いですね。小学校高学年くらいになると、かかとの軟骨部分の一部が骨になります。骨になった部分が分裂するような状態になって炎症を起こします。1〜2週間安静にすれば治っていきますが、それでもよくならない場合はスパイクの中敷きを土踏まずで支えるものに替えて、かかとへの負担を軽減したり、アキレス腱(けん)とか足底腱膜のストレッチの指導を行います。

 足の小指の関節、足の甲の外側に短腓骨(ひこつ)筋腱という筋がついているんですけど、ここに負荷がかかって骨が剥がれるのをイズリン病といいます。バスケットボールなどの競技をしている子に多いですね。これも安静にしておくと、半年後くらいである程度骨がついていきます。

 牽引型の骨端症の代表的なものは、投球障害肩とか野球肩といわれるもので、小学生のピッチャーに多いです。

 投げることで骨端線の先が引っ張られて、線の部分が離れていきます。肩肘を痛めるピッチャーは下半身がうまく使えていないケースが多く、治療では股関節のストレッチで柔軟性を獲得していきます。2、3カ月安静にすると線の隙間が狭まって痛みもなくなってきます。早く見つけて適切な指導をすることが大切です。そのまま投げ続けると成長障害を起こす可能性も出てきます。

 もう一つが野球肘。内側型と外側型があり、内側型は牽引型、外側型は剪断型の骨端症。診断がついたら、CT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)なども使って病巣の大きさを見て、場合によっては手術しないといけないケースもあります。これらは見逃してはいけないスポーツ傷害です。

 県内では宮崎大学による野球障害の検診が行われており、重い障害になる可能性のある子たちを早く見つけて治療しようという活動が行われています。

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