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国産ワクチンの接種始まる

本紙掲載日:2023-12-14
3面

佐藤医師「変異に強く、品質が安定」

 新型コロナワクチンの公的接種(自己負担なし)で、初めて実用化された純国産ワクチンの使用が始まった。新たに採用されたのは第一三共製のオミクロン株XBB・1・5対応1価ワクチン「ダイチロナ」で、12歳以上が対象となる。

 このうち、延岡市では一般市民向けの接種開始(17日)に先駆け、13日に医療従事者らへの接種が始まり、接種会場のあたご整形外科(愛宕町)では希望者らが次々と接種を済ませた。

 延岡市新型コロナ対策アドバイザーを務める佐藤圭創医師によると、第一三共製のワクチンは独自の技術で、従来使用されているファイザー、モデルナ製よりもウイルスの変異に強いため、「ワクチンが効きやすく、変異による影響を受けにくいと期待される」と話している。

 ファイザーやモデルナ社製と同じm(メッセンジャー)RNAタイプのワクチンで、現時点での中和抗体生成能力や安全性、副反応は両者と同等、「品質も安定している」という。

 一方、ワクチンは今後も世界中で獲得競争が生じる懸念が大きく、佐藤医師は「安全保障上のリスクからも国産ワクチンは必須」と意義を語っている。

 現在、延岡市内で第一三共製ワクチンを接種しているのは、あたご整形外科のみ。同医療機関を含む市内29会場では来年3月末まで、2023年度「秋」接種開始の公的接種を実施しており、今回が自己負担なしで接種できる最後の新型コロナワクチンとなる。

 県内では新型コロナの感染者数が底を打って先週から微増傾向に転じ、来年1月中旬から下旬、早ければ年末にも急増する恐れがあると見込まれているため、市町村や各医師会などは「検討されている方は早めのワクチン接種をお勧めします」と呼び掛けている。

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