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本紙掲載日:2023-12-15
3面
さまざまな疲労骨折を紹介する公文院長

「成長期に特徴的なスポーツ傷害」くもん整形外科スポーツ・骨関節クリニック公文崇詞院長

◆疲労骨折には注意が必要−痛み隠して頑張るケースも

 次は骨端線の部分の裂離骨折です。筋肉とか筋がついているところが骨ごと剥がれるという骨折で、骨盤のところで多く見られます。走っている最中に股関節の前の方やお尻が痛いというような症状が出ている人に裂離骨折の可能性があります。基本的に安静治療でよくなりますが、座骨の部分はなかなか骨がくっつきにくいので、半年くらいスポーツを中止しないといけない場合もありますね。

 見落としてはいけないものの一つにスポーツによる疲労骨折があります。原因は筋力不足とかアンバランスな筋力、未熟なフォームなど。中でも「使いすぎ」というのが大きいですね。今は無理な練習などはなくなってきていますが、子供たちが痛みを隠して頑張るケースもあるので注意が必要です。

 まずは腰の疲労骨折いわゆる腰椎分離症。腰の骨の後ろの部分にひびが入ります。腰を反ると痛みを感じるという特徴的な症状があります。レントゲンやCTでは分からない時もあり、最終的にはMRIによる判断が必要な場合も。スポーツ整形など専門の病院でしっかり診断してもらってください。診断が遅いと骨がつかないこともあります。ただ骨がつかない状態になっても、筋力トレーニングで症状を軽くして、スポーツを継続することもできます。とは言っても早く見つけて治療する方がいいのは間違いないです。

 足の小指側の第五中足骨の骨折は、サッカー選手に多くて治りにくい疲労骨折です。なかなか骨がつかないので、ボルトを入れる手術をした方がスポーツ復帰は早いといわれています。

 次は頸骨(けいこつ)。すねの骨のちょうど真ん中の部分はちょっとした傷が入る骨折でも、離れようとする力が常に入るところなので治りにくいですね。1年たってもつかないというケースもあります。早いスポーツ復帰を希望する人にはボルトを入れる手術をすることもあります。

 これによく似た症状で、シンスプリントという病気があります。骨折ではないのですが、同じすねの真ん中部分で痛みを感じます。これは骨の膜の炎症ですね。ストレッチとか冷やしたり、薬で治療もできます。

 このほか過剰骨部に牽引(けんいん)力や圧迫力が加わることで、足の内側にある後脛骨筋が炎症を起こす外脛骨障害、同じく足首の後ろに炎症を起こす三角骨障害、膝のお皿の骨(膝蓋〈しつがい〉骨)の分裂部分に炎症を起こす有痛性分裂膝蓋骨などもあります。

 (子供本人や親御さんには)中学生まではストレッチを中心に体の柔軟性をつけることを考えてほしいですね。普通に競技をしていればある程度の筋肉はつきますから。高校生になって骨がある程度しっかりしてきた状態で本格的に筋力トレーニングをするというのがおすすめです。

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