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LL サイズ
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1枚 1,200円
(ラミネート加工は300円追加) |
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ドキュメンタリー映画の上映会とクロストーク
全盲の美術鑑賞者・白鳥建二さんとその周りの人との豊かな会話を追ったドキュメンタリー映画「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」の上映会が11月26日、延岡総合文化センターであった。上映後には延岡にゆかりあるアーティストらによるクロストークも行われ、美術鑑賞法などについて思いを語った。
上映会は同市伊達町のギャラリーかわなか(川中啓二代表)が主催。全国で上映する映画館が少ない中、「(目が)見える、見えないの社会問題としてではなく、アートを見ることの楽しさを教えてくれる」と企画。多くの人に見てもらおうと、昼と夜の2回、上映した。
上映後は、川中さんに上映会の開催を打診、相談した同市出身の日本画家・川村愛さん(福岡市在住)と、延岡市在住のイラストレーター・みよこみよこさんとのクロストークがあり、川中さんが進行役を務めた。
目が見える同行者によって「自由な会話によるアート鑑賞」という独自の鑑賞法が誕生し、その鑑賞法を楽しみながら全国を旅する白鳥さんを追ったドキュメンタリー。
「なぜ上映会をしたいと思ったのか」との問いに、「(白鳥さんは)鑑賞するときにニュートラル。分かろう、理解しようという強い感じはなく『あ、そういうもんなんだ』という感じでアートを見られるのが新鮮だった」と川村さん。
みよこさんは「アートを通してコミュニケーションがこんなに豊かにできる。一つの物をたくさんの人と会話をしながら見ると、自分でも気付けなかったこととか、知っていると思っていた人の新しい一面を発見するとか、人と人とのつながりがよりもっと豊かで面白いものになるなと発見した」と、それぞれ初めて映画を鑑賞した時のことを振り返った。
「アートをどんな風に見てほしいか」という問いに、みよこさんは自身が見る側として美術館を訪れる際の鑑賞法を紹介。「『この中から1個持って帰っていいよ』と言われたら、どれにしよう」という視点で作品を見ているという。
その視点があるだけで、「作品1個1個との向き合い方が違う。これは大きいから家には飾れない。これは玄関マットにしたら良さそうとか、妄想だが、自分には縁遠いものに思えてしまう美術館の作品が、急に身近な隣にいるお友達のような感覚になる。それがすごく楽しいなと思う」。
作り手としては、「作っておしまいではない。飾って、見に来てくれた人との何かがあって、作品に新しい命を吹き込んでもらい、違う形に育っていくと思っている。自分で気付かなかったことにお客さんが気付いてくれるなど、新しい発見、見方はうれしくて、ありがたい瞬間」と語った。
「私が表現したことはタイトルに書いてある。タイトルを見てもらったら、作者の意図はなんとなく分かる」と話していた川村さんは、「私たち作家は、外に出したくて描いている。出会いを求めて発表している。そこで、鑑賞している人と会話ができるのはとってもありがたい」と述べた。
一般的に、美術館などでは静かに見ることが求められるが、鑑賞して抱いた思いを共有することについて語り合ったクロストーク。上映会のために帰郷した川村さんは、「文化レベルは高いのに、鑑賞したり、そういう人たちが集ったりする場が貴重な延岡で、上映できたことがありがたい」と話していた。