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耕作放棄地を再生へ

本紙掲載日:2023-12-27
3面
重機を操縦して開墾作業にいそしむ梅田さん(延岡市北浦町古江)

サツマイモ生産者の梅田さん−延岡市北浦町

 延岡市北浦町三川内歌糸でサツマイモ作りに取り組む農業法人・喜郷ファーム代表の梅田学宏さん(40)が、同町古江地下地区の耕作放棄地をサツマイモ畑に再生するために奮闘している。

 同地区は従来、お茶の栽培が盛んで昭和の頃には5戸の農家が約15ヘクタールの茶畑を営んでいた。しかし、現在は2戸となり、耕作面積も4・5ヘクタールほどに減少している。耕作放棄地が増える中、地域の関係者も行政も解決方法を模索していた。

 一方で、梅田さんはサツマイモ畑を拡大するため町内で適した場所を探して市の北浦総合支所に相談していた。支所の担当者が地下地区の人たちと調整して茶畑を紹介、話がまとまったという。

 今月に入り、茶畑だった斜面1・5ヘクタールの開墾を開始。梅田さん自ら重機を操縦しながら茶の木を伐採、抜根する作業を続けている。

 梅田さんは7年前、地域に活力を取り戻そうと、さつまいも農家に転身。その2年後に喜郷ファームを起業した。

 人気品種の「紅はるか」や「シルクスイート」を栽培しており、梅田さんの芋は自然食品の通販会社で高い人気を誇るほか、市のふるさと納税の返礼品としても喜ばれている。また、今年から始めた加工品の干し芋も好評で、県外の焼き芋店や弁当店との取引も増えている。

 このため、規模拡大が急務で、地下の茶畑の前にも、地元での耕作面積を増やした。今年の栽培面積は10ヘクタールに上り、収量は約90トンを見込んでいる。

 地下の茶畑は「腐葉土が多く、日当たりと風通しも良い。サツマイモ栽培には最適な土地なので、おいしく育ってくれそう」と梅田さん。

 来年2月には開墾を終え、鳥獣被害対策や土づくりを経て4月には苗を植える予定で、半年後には最初の収穫ができる見込み。現在、正社員3人、パート7人と一歩ずつ歩みを進めている。

 「これからも品質向上と販路拡大に努めたい。地元の雇用を創出することで地域活性化に少しでも役立つことができれば」と声を弾ませていた。

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