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新型コロナ週刊トピック

本紙掲載日:2023-12-30
2面

感染者数、5週連続で増−定点当たり3・83人

◆入院患者数77人前週比2・65倍−県内

 県の感染症週報第51週(18〜24日)によると、県内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は、前週比約1・03倍の定点当たり3・83人と、5週連続で増加しました。27日時点の入院患者数は77人で前週から2・65倍(48人)増加し、重症者は1人でした。

◇県北は「黄圏域」継続

 県が区分する7医療圏域のうち、延岡・西臼杵の感染者数は前週からさらに29・1%増加して定点当たり7・89人となり、4段階で色分けした注意喚起の区分は2週連続で、上から4番目の「黄圏域」(基準値=定点当たり5人以上)でした。県内最多となっています。

 日向・東臼杵は同4・83人で前週比マイナス6・5%の微減で、黄圏域から脱しました。黄圏域は小林・えびの・西諸県(同6・25人)を含め2圏域です。

 宮崎・東諸県(同2・28人)、都城・北諸県(同2・30人)、日南・串間(同3・00人)、西都・児湯(同3・00人)は落ち着いています。

 県内の定点医療機関から報告された新規感染者数の年代別割合は多い順に、▼5〜9歳が14%▼5歳未満が13%▼10〜14歳と50代が各12%▼20代と60代が各9%▼と60代が各9%▼40代8%▼15〜19歳と70代、80代以上が各6%▼30代5%でした。

 定点報告数を基にした県内の推計感染者数は1日当たり164人で、前週の160人を上回り、5週連続で増加しました。全国の感染状況は年明けの1月4日に発表予定となっていますが、北海道や四国などで注意を呼び掛けており、各地域とも増加傾向にあるようです。

◇延岡市独自集計前週比22人増

 延岡市が独自に集計している新型コロナ感染者数の週報によると、先週1週間(18〜24日)の合計は前週比22人増(1・19倍)の135人でした。日別では、18日34人▽19日21人▽20日24人▽21日16人▽22日25人▽23日15人▽24日0人となっています。

 県が延岡保健所管内から報告を受けた定点医療機関当たりの新規陽性者数も9・43人で、前週の6・57人から43・5%増加し、オレンジ圏域(基準値=定点当たり10人以上)に迫っています。

◇年末年始の感染拡大を懸念−来月下旬にかけ増加続く見込み

 県内の定点医療機関から報告される新型コロナの平均患者数(定点当たりの報告数)が、今週まで5週連続で増加したことに伴い、県は「全国的に感染が増加する中で本県も増加傾向にあり、過去の感染状況を振り返ると、年末年始の感染拡大が懸念される」として、注意を呼び掛けています。

 県内7医療圏域の中でも延岡・西臼杵は最も感染が広まっていて、特に延岡保健所管内は一段階強い対策が求められる状況(オレンジ圏域)が迫っています。

 より直近のデータとなる延岡市の独自集計でも感染者数は確実に増加していて、その勢いはこの1カ月で4倍以上と加速している状況です。市新型コロナ対策アドバイザーの佐藤圭創医師によると、今後は来年1月下旬にかけて増加が続く見込みで、インフルエンザの猛威が治まると新型コロナの患者が急増する可能性を指摘しています。

◇症状治まった後も…−「持続感染」の可能性

 新型コロナに感染すると、発熱などの一般的な症状(急性期症状)が治まった後も、少量のウイルスが体内に残って「持続感染」を起こす可能性があることが、理化学研究所などのチームよる研究で明らかになりました。

 研究ではiPS細胞を使って、網目状に広がる心臓の血管や心筋細胞などの組織を模したシートを作成し、新型コロナウイルスに感染させました。その結果、少量のウイルスに感染したシートは、表面上では心機能に問題がない状態まで回復した後も、感染が持続したといいます。

 さらに、狭心症や心筋梗塞などと同じ心機能が低下する低酸素状態を再現したところ、感染していないシートは時間とともに心機能が回復した一方、持続感染(4週間以上)させたシートでは残存ウイルスが活性化して組織障害が起こり回復しなかったそうです。

 こうした研究結果に対し、佐藤医師は「新型コロナに感染すると、症状が軽いにしても、心不全になるリスクが高まる」「将来、心不全の患者が急増する可能性がある」として、対策の必要性を訴えています。

【おことわり】次回の県感染症週報第52週(12月25〜31日分)の発表は来年1月9日となるため、来週(同6日)の「新型コロナ週刊トピック」はお休みします。

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