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地元食材を使った温か料理−子どもたちに食事を提供

本紙掲載日:2024-07-24
3面

「森のキッチンハウス」オープン−延岡

 延岡市山月町の子育て支援センターおやこの森で過ごす子どもたちに、地元食材を使った温かい料理を提供する「森のキッチンハウス」が18日、同センター横の古民家にオープンした。

 同施設は、生活困窮者やドメスティック・バイオレンス(DV)被害者などを支援するNPO法人自立生活支援延岡ほほえみの会(塩月雅代理事長)が、所有者から寄付された古民家を改修して開設。同法人とボランティアのスタッフが調理した食事を、おやこの森に届け、子育て世帯向けの料理教室なども開いていくことにしている。

 開設に向けては「『森のキッチンハウス』リノベプロジェクト」と銘打って、昨年11月から、インターネット上で広く支援を募るクラウドファンディングを実施し、140人から299万2千円の寄付金が寄せられた。

 さらに、日本政策金融公庫延岡支店が、社会的課題の解決を目指す事業者を対象とした「ソーシャルビジネス支援資金」制度を活用して不足分を融資。古民家の掃除や周辺の雑木伐採、除草、内装に使う竹の切り出し、加工、竹灯籠作りなどあらゆる準備作業に、高校生や大学生を含むボランティアが全面協力した。

 竹の装飾としっくい壁の落ち着いたキッチンハウス内は、広々とした畳敷で、リノベーションによって大きな対面式カウンター付きの厨房(ちゅうぼう)を設置。オープン日には、島浦町の結城水産から提供されたカンパチのピカタ(焼き料理)とあら汁、コールスローサラダ、おかかおにぎりが提供された。

 おやこの森はさまざまな困りごとを抱えた家庭を支援するため、毎日30〜40人の子どもを預かっているが、これまで調理場がないことから地域の子ども食堂から届けられる週2回の食事を除き、レトルト食品や市販の弁当などを提供していた。

 今後は子どもたちへ毎日のように温かい手作り料理を食べさせてあげられるようになり、小澤のり子施設長は「大事にしてくださる地域の方々の純粋な思いが本当にありがたい」と感謝。延岡ほほえみの会の塩月理事長は「ここが、地域みんなで子育てに取り組める〃もう一つの場所〃になれば」と期待している。

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