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偉業を語り継いでいきたい−大貫用水路

本紙掲載日:2024-09-26
2面
大貫用水路を建設した富山喜三郎、鹿之助兄弟の遺徳をたたえた「富山家用水路開鑿謝恩祭」

私財投じて建設−富山喜三郎・鹿之助兄弟

◆住民ら、遺徳たたえ謝恩祭−延岡

 江戸時代に現在の延岡市大貫町へ私財を投じて大貫用水路を建設した富山喜三郎、鹿之助兄弟の遺徳をたたえる「富山家用水路開鑿(かいさく)謝恩祭」が23日、地元住民代表らが参列して大貫神社参道登り口の謝恩碑前で営まれた。

 碑文などによると2人は、畑ばかりで水田がほぼなかった旧南方村大貫に用水路と開田の必要を説き、1797(寛政9)年、藩に願い出て着工するも、水路は毎年の洪水で破損。修繕に多額の費用を要し、負担に苦しむ村民からは水路の破棄を求める意見も出たが、2人は一切の費用を自己負担で賄って完成させた。

 村民たちは、大貫の良田が今日にあるのは2人のおかげと感謝。藩もその功労を認めて2人を郷士に列し、三人扶持(俸給)を給して帯刀を認めたと記されている。

 2人の分霊・位牌(いはい)は、岩熊井堰(いぜき)や出北用水路の建設に尽力した藤江監物、江尻喜多右衛門らとともに、同市出北の観音堂に祭られており、大貫住民は1918(大正7)年2月に用水路開鑿記念碑を建立し、39(昭和14)年9月に再建。35(同10)年9月には謝恩碑を建立、2007年9月に再建し、毎年、謝恩祭を開いている。

 この日は、大貫町上、中、下区の区長や公民館長、土地改良区幹部ら約20人が参列。大貫神社の神主も務める春日神社の木村健男宮司による神事が執り行われ、参列者が一人ずつ玉串を奉納して富山喜三郎、鹿之助兄弟に感謝をささげた。

 詳細は、本紙へ。

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