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釜炒り茶の魅力を語る−続く生産者の挑戦

本紙掲載日:2021-01-15
6面

高千穂地区茶業振興会興梠洋一さん、高千穂町観光協会DMO食の推進部会坂本佐代美さん

◆にごりのない黄金色、さわやかな香り−生産量日本一の西臼杵郡

 にごりのない黄金色、「釜香(かまか)」と呼ばれるさわやかな香りが特徴の釜炒(い)り茶。飲むと渋みは少なくて喉ごしが良く、さっぱりとした味が人気だ。西臼杵郡は釜炒り茶の生産量日本一。品評会でも多数の受賞歴があり、質が高い。生産の現状や将来について、JA高千穂地区に出荷する生産者でつくる高千穂地区茶業振興会会長の興梠洋一さん(58)=五ケ瀬町=、釜炒り茶の振興に取り組む高千穂町観光協会DMO食の推進部会部会長の坂本佐代美さん(56)=高千穂町=に話を聞いた。

◇15世紀に伝わった製法

 釜炒りの製法は15世紀前後に中国から朝鮮半島を経て日本に伝わったといわれている。かつては全国で生産されていたが、多くの地域では蒸して作る煎茶へと変化。しかし、西臼杵郡など九州の一部では変わらずに釜炒り茶が作られてきた。

 興梠さんは「私が20歳ぐらいまでは、畑の土が崩れないように傾斜地や畑にならない土地に茶の木を植えて自家用の茶を作っていた」、坂本さんは「自分たちで飲む分だけ作って茶工場に持ち込んで炒ってもらったりしていた」と話す。

 2人とも「日常生活にあるお茶」と口をそろえた。

◇生活の変化でお茶離れ

 人々に親しまれてきた釜炒り茶だが生産者の高齢化や後継者不足などで生産量、生産者数はともに減少。飲み物の多様化や食事、ライフスタイルの変化によるお茶離れの影響が大きく、近年は単価が下落している。

 こうしたことから一番茶に比べて価格が安い二番茶以降を製造しない生産者が増えている。JA高千穂地区の釜炒り茶取扱量は2017年は約100トンだったが3年後の20年は約60トンにまで減少。振興会会員も昨年は60人だったが、機械の更新時期などを理由に、今年は6人が生産をやめる意向を示しているという。

◇歴史と高い希少価値

 厳しい現状だが、生産者やJA高千穂地区がただ手をこまねいていたわけではない。

 釜炒り茶の生産量はすべての茶生産量の1%以下と希少価値が高い。その半面「ほとんどの人が釜炒り茶を知らない」と坂本さん。

 西臼杵郡産は多くが地元で飲まれ、地域外に出ていなかったため、まず釜炒り茶を知ってもらうことが課題だという。

 そこで、生産者らは郡内での消費回復とともに、国内の都市や海外での認知度向上、消費や販路の拡大に取り組んでいる。

東京、東北などで実演−海外にも販路拡大へ

 振興会とJA高千穂地区は11年から東京都・下北沢のイベントに参加。また、振興会独自で18年には宮城県仙台市で、翌19年には北海道で手炒り実演や試飲などを行って釜炒り茶をPRした。仙台市では、PRをきっかけに同市の小売店で販売が始まるなど成果も出ているという。

 興梠さんは「手応えはある。後は継続して、少しずつネットワークができれば釜炒り茶のことが伝わっていくのではないか」と、都市部でのファンや仲間づくりの重要性を強調する。

 海外では和食ブームなどもあり、日本のお茶の輸出量は伸びており評価も高い。振興会とJA高千穂地区は19年からコンサルタント会社に委託して香港の市場調査を実施しており、今後も継続していくという。

 また、生産者の中には、環境への負荷を低減した持続可能な方式で生産されたことを認証する「有機JAS」を取得してヨーロッパと直接取引している人もいる。

 興梠さんは「中国のお茶は安いが、こちらには歴史や釜香の技術がある。海外には日本ブランドとして売り出し、お茶や日本文化に興味がある人に釜炒り茶に目を付けてもらえたら」と期待する。

◇期間限定のサロン好評

 さらに、高千穂町観光協会(飯干淳志会長)が観光資源にもなる釜炒り茶の振興に取り組み始めた。19年には他のイベントとの合同形式で初めて釜炒り茶まつりを同町で開催。手炒り実演やパネル展示、試飲などを行ったところ茶だけでなく茶器もよく売れるなど好評だったという。

 昨年は坂本さんが部会長を務める食の推進部会が中心となって、単独での釜炒り茶まつり実施、各イベントでの茶の配布などにさらに力を入れる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止になった。

 その中で実現したのが振興会、生産者、JA高千穂地区による期間限定のお茶のサロン。五ケ瀬町、高千穂町、日之影町の生産者10戸が昨年10〜12月の9週間、高千穂町で週替わりで常駐し、店を訪れた観光客や地元住民と交流し、釜炒り茶をPRした。

 「サロンはとてもいい機会になった」と興梠さん。坂本さんが出店した期間に訪れた人は県内も含めて9割の人が釜炒り茶を知らなかったそうだが、飲むと6、7割の人は釜炒り茶を買って帰ったという。「飲んでもらえればその良さは分かってもらえる」と笑顔で話した。

 生産者にとっても消費者と直接話ができたことはとても良かったそうで、今後も修正を加えながら実施できないか検討するという。

◇伝統に培われた製法

 近年ではウーロン茶や紅茶を作り始めた生産者もいるが「ベースには釜炒り茶がある」と興梠さん。昔から釜炒り茶を作り続けながら、この地で培われた香りやうまみを引き出す技術、栽培管理、製造方法が今の釜炒り茶の味を作り出している。

 興梠さんは他の産地でも釜炒り茶生産を始めていることに触れて「ここには伝統、歴史、文化があり、歴史の中で変わっていった〃今の釜炒り茶〃をしっかり伝えている。茶の中身が全く違う」と胸を張る。

◇歴史、入れ方を伝えるマイスターを

 興梠さん、坂本さんとも「個人的な意見」とした上で、興梠さんは生産者が多忙なことから「〃釜炒り茶マイスター〃というか、地域の釜炒り茶の歴史や生産者、おいしい入れ方など釜炒り茶のことを伝えてくれる人がいるといいですね」。

 坂本さんは「釜炒り茶は日常茶で、飲んだ後はさっぱりしていて、料理を一口食べた後に口の中をリセットしてくれる。お茶だけを飲ませるのではなくて、食事とお茶、お菓子とお茶など食べ物と合わせたイベントができれば」と自身のアイデアを話した。

 釜炒り茶は西臼杵郡の歴史、文化の一部であり、茶畑は昔ながらの景色の中に溶け込んでいる。この地域の貴重な存在である釜炒り茶を後世に伝えるため、生産者の挑戦は続く。

【主要な釜炒り茶の産地】
▽宮崎県=西臼杵郡、東臼杵郡、延岡市
▽熊本県=阿蘇市、山都町、天草市
▽佐賀県=嬉野市


■おいしいお茶の入れ方
|磴鬘運妖たり3グラム、急須に入れる
△湯を湯飲みに入れる(湯冷まし)
E魄みのお湯を急須に注ぐ
ぞしずつ回し注ぎをする
ズ埜紊泙巴蹐きる

【豆知識】茶はティースプーン1杯で約3グラム。湯温が高いと渋くなる。回し注ぎをすることで同じくらいのお茶の濃さになる。
(高千穂地区営農振興協議会茶部会、高千穂地区茶業振興会提供)

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