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SSH初年の成果を発表−延岡高

本紙掲載日:2021-02-10
7面
体育館では普通科40グループが研究の成果を発表した
ハイドロゲルと伝導性について発表するMS科の生徒

スーパーサイエンスハイスクール

◆科学で社会課題を解決できる人材目指す

 県立延岡高校(川越勇二校長)の普通科とメディカル・サイエンス(MS)科の1年生240人による合同の課題研究成果発表会が5日、同校体育館と武道場であった。SDGs(国連で採択された持続可能な開発目標)に関するフィールドワークで学んだ成果を、4人ずつのグループごとにポスター形式で発表した。

 今年度、文部科学省に選ばれて取り組んでいるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環で、科学技術系人材の育成が目的。

 普通科40グループは体育館、MS科20グループは武道場で発表した。

 普通科は3コース(エンジニアリング、ナチュラル・サイエンス、メディカル・サイエンス)の中からテーマを設定。現地調査に出掛けたり、校内に企業から講師を招いたりして学んだ。不織布マスクやバルブなどテーマに沿った製品の紹介やSDGsへの貢献、北川湿原の現状と生態系、七味唐辛子と薬学の関係などについて発表した。

 MS科は地元企業の従業員や市職員計5人をメンター(助言者)として招き、メンターから提案された専門的な内容を含めた課題を研究した。発表会場には「延岡の川水でおいしい飲み水を作る」「ロウなどの副材を混合したバークペレットの発熱量の向上」「新型コロナウイルス感染症の流行を数理モデルにより解析した対策の提案」などのテーマが並んだ。

 1回当たりの発表時間は8分で、生徒が1人ずつ交代で担当した。担当以外の時間には他グループの発表を見て回り、ポスターや発表方法などの評価も行った。

 ユネスコエコパークに指定された行縢山と川坂湿原について発表した普通科の岩谷百望華さん(16)は「改めて豊かな自然や希少生物の大切さを学び、未来に残す必要性を再認識した。この環境を維持していくためにもボランティア活動などに参加したい」と話した。

 運営指導委員を務めた大爺尚之さん(元旭化成メディカル顧問)は閉会式で「皆さんが自信に満ちたポスターを作成し、元気に発表する成長した姿に驚いた。これからが本番と思って、来年度以降も頑張ってほしい」とエールを送った。

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)2002年から文部科学省が実施している事業。先進的な理数系教育、体験や課題解決を重視した学習、大学などとの連携、地域の特色を生かした課題研究などさまざまな取り組みを通して生徒の科学的能力や思考力を培う。指定期間は最長5年。今年度は全国217校、県内では同校の他、宮崎北高、宮崎西高・付属中が指定を受けている。

 延岡高は、「『工都のべおか』でSTIforSDGs人材(科学技術イノベーションを用いて社会課題を解決する人材)を育成するカリキュラムの開発」を研究開発課題とし、地元の企業・大学との協働や地域素材を生かしたプログラム、フィールドワークなどを通して人材育成に取り組んでいる。

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