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季節のなかで−夏の太陽浴び「梅の土用干し」

本紙掲載日:2021-08-02
2面
夏の太陽の光をたっぷり浴びる「梅の土用干し」

甘酸っぱい香り、紅色鮮やか

 梅雨が明け、猛暑が続く県北の民家の庭先で、夏の土用の風物詩「梅の土用干し」の光景が見られるようになった。

 延岡市小野町の民家では28日、庭先にざるが並べられ、赤シソで鮮やかな紅色に色付いた梅の塩漬けが、甘酸っぱい香りを漂わせ、夏の太陽の光をたっぷり浴びていた。

 梅干しを手作りするようになって約15年という家人の68歳女性によると、今年は自宅近くにある梅の木が豊作で120キロを収穫。漬け込む作業に時間がかかり、さらに不安定な天候が続いたため、今年は例年より2週間ほど遅い土用干しになったという。

 「土用干しをすると梅干しの味がまろやかになります」と女性。一般的に3日間ほど干すと良いと言われるが、女性の場合、完熟の梅を使っていることや、梅酢が上がってきた後、赤シソを漬け込む前に一度、天日に干していることから、土用干しは1日間のみで十分なのだという。

 土用干しは、梅干し作りの最終作業。女性は「これで一段落。ほっとしますね」と笑顔で汗を拭った。出来上がった梅干しのほとんどは、県内外に暮らす友人や親戚、お世話になった人たちに送るという。

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