トンネル事故を想定

深角−平底・開通前に防災訓練−九州中央道

　九州中央自動車道高千穂日之影道路の日之影深角インターチェンジ（ＩＣ）―平底交差点（２・３キロ）の開通を前に、日之影町の新平底トンネル（延長１６６５メートル）で７月３０日、交通事故を想定した防災訓練が行われた。国土交通省延岡河川国道事務所、高千穂署、西臼杵広域行政事務組合消防本部から約４０人が参加した。

　訓練は、高千穂方面へ走行していた普通乗用車が中央分離帯に衝突した後に後続の普通乗用車から追突され、負傷した運転手が車に閉じ込められて後続車から出火した―との想定で実施された。

　参加者らは機関同士の連携や役割の確認、迅速な対応を意識しながら活動。トンネル内の非常電話からの通報で３機関が素早く現場に駆け付けて通行規制を行った後、中央分離帯を外して警察官が事故でトンネル内に滞留した車を反対車線に誘導してトンネル内から外に排出した。

　また、消防署員らは、消防車両の投光器で現場を明るく照らしながら油圧式のカッターなどで助手席ドアをこじ開けて運転手役の人形を助手席側から救出。トンネル内の消火栓を使って出火した後続車へ放水した。レッカー車で事故車両を撤去して、通行規制を解除して訓練を終了した。

　延岡河川国道事務所の相島伸行道路管理課長は「連携や通報からの情報展開などしっかり連携ができた。今後も警察、消防との連携を図り、道路の安全確保に努めたい」と話した。

　九州中央自動車道高千穂日之影道路の日之影深角インターチェンジ（ＩＣ）―平底交差点（２・３キロ）は２１日に開通する予定。