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話題−和田越決戦で戦艦は北川を上ったか

本紙掲載日:2021-08-11
3面
明治時代の延岡の地形図を示しながら考察を述べる牧野さん

牧野さんが独自調査

 「西南戦争の和田越決戦時、戦艦が北川を上って艦砲射撃を行った可能性は十分に考えられる」と話すのは延岡市無鹿町の牧野義英さん(70)。

 牧野さんは、2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」放送を機に戦争遺構の独自調査を実施。昨年出版した「西南戦争和田越ノ戦争を語る戦争遺構」では、同決戦の遺構と思われる67カ所を紹介している。

 出版後には、同著でも触れた〃戦艦の北川遡上(そじょう)〃説の検証に取り組み、知人の元海上自衛隊一等海佐らのアドバイスを得ながら調査。当時の北川河口から薩軍本営までの距離や艦載砲の有効射程、北川の水深・川幅等の推測値、戦艦の喫水データなどから遡上および砲撃は可能と判断したという。

 7月28日に延岡市役所内で調査内容を発表した牧野さんは「延岡沖に展開した5隻のうち最も小型の第二丁卯(ていぼう)艦(排水量125トン、喫水2・42メートル)が北川の支流・友内川の分岐点までさかのぼり、薩軍に主砲を撃ち込んだのではないか」とした上で、郷土史愛好家らに向けて「この考察の検証をしてもらえれば」と呼び掛けた。

◆決戦の日の15日に自著を慰霊碑前で販売

 牧野さんは和田越決戦の日の15日、無鹿町の和田越決戦之地慰霊碑前で「西南戦争和田越ノ戦争を語る戦争遺構」の青空販売を行う。時間は午前9時から午後3時。雨天決行。

 同著販売のほか、和田越決戦の小話、近くの戦争遺構案内、出土した小銃弾や砲弾の破片などの展示も行う。

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