知事「歴史的危機に直面」

より一層の対策徹底を訴え

　新型コロナウイルスの一日の新規感染者数としては県内過去最多の１１１人が確認されたことを受け、河野知事は１７日、県庁で記者会見。今年１月以来の１００人超えの状況に「再び歴史的危機に直面している」とし、県民に感染防止対策のより一層の徹底を訴えた。

　本県の直近１週間の人口１０万人当たりの新規感染者数が３７・０人（１６日時点）となり、感染急増する全国の中では３１番目だが国が示すステージ４（２５・０人）を大きく上回っていると指摘。「本県の医療提供体制を考えると非常に厳しい状況」と危機感をにじませた。

　各圏域では日向・東臼杵圏域５８・３人、宮崎・東諸県圏域５３・２人、西都・児湯圏域４１・４人など、県内全域の感染拡大を示唆。本県の状況は、医療の逼迫（ひっぱく）具合や療養者数、新規感染者の報告数など総合的に捉え「ステージ４相当の状況まで悪化している」と認識を示した。

　医療提供体制については、食料・生活支援セット配布など自宅療養者対策、医師・看護師の健康観察など宿泊施設療養者対策、病床確保のための医療機関との協議などの取り組みを説明。感染拡大する宮崎市には県の公衆衛生医師派遣を検討していると明かした。

　今後の対応としては、県主催イベントの中止や延期、オンラインなどでの開催を検討。直近１週間の人口１０万人当たりの新規感染者数５４・６人の宮崎市については、「まん延防止等重点措置」の要請を視野に国と協議中とした。

　河野知事は、「このまま感染拡大が続けば医療体制の逼迫も現実になり、救える命が救えなくなるという強い危機感を抱いている。感染防止対策のギアをいま一段引き上げてほしい」と協力を求めていた。