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新聞紙スリッパ作りなどに挑戦

本紙掲載日:2021-08-19
6面

図書館北方分館で防災学習・延岡

◆水害−浮いた家具で部屋が埋まる前に避難
◆雷−高木から4メートル以上離れて「雷しゃがみ」

 延岡市立図書館の北方分館(吉田等分館長)は11日、地元の子どもを対象に防災学習会を開き、新聞紙を使ったスリッパ作りなどを通して、災害に対する意識や知識を養った。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため人数を制限し、小学3年〜中学3年生の6人が参加。市防災推進員(消防本部警防課)の濱方康広さんと豊田泰裕さんの進行で、新聞紙スリッパの他、キッチンペーパーと輪ゴムを使ったマスク、風呂敷の端を結んだハンドバッグとショルダーバッグの作り方を教わった。

 最初は新聞の折り方やキッチンペーパーに輪ゴムを固定する位置、風呂敷の結び目の大きさなどに苦戦。それでも、工程を繰り返しながらすぐに上達し、互いに完成品を見せ合っていた。

 その後、濱方さんがスクリーンで過去に起きた大水害の映像を交えながら講話。北方町を流れる五ケ瀬川は熊本県境の向坂山(標高1680メートル)を水源とする全長約106キロの1級河川で、70以上もの支流が注ぐため、たびたび甚大な災害をもたらしていることを紹介した。

 昨年7月に豪雨災害を受けた熊本県人吉市では、民家に濁流が迫ってわずか10分で1階部分が浸水したと説明。床から80センチの高さまで水が上がると家具が倒れ、浮いた家財道具で部屋が埋まるため、階段などに逃げ切れずに亡くなる人が多いとして、早めに避難するよう求めた。

 雷の恐ろしさについても語り、まずは頑丈な建物や大型バスの中などに逃げ込み、感電を避けるため電気器具に1メートル以上近づかないようアドバイス。高い木に落雷することもあるため、雷が鳴り始めたら4メートル以上離れるよう教え、身の守り方として、頭を低くして耳をふさぎ、両膝を閉じて、膝を地面に付けない「雷しゃがみ」を子どもたちに指導した。

 近所から姉妹で参加した鬼塚桃世さん(北方学園小3年)は「マスクの作り方を覚えたので家族にも教えたい」。姉の咲枝子さん(同中2年)も「新聞のスリッパは避難所で履けば衛生につながると学べた。自宅は川に近く、水害では10分でも無駄にできないと実感できた」と振り返った。

 今回の学習会は、北方分館が毎年夏休みに蔵書の中からテーマを絞って開いている行事として開催。子どもだけを対象にした市消防の防災教室は珍しく、濱方さんらは「他の地域でもこうした形で開いていけたら」と話している。

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