日之影町議会・給与減額案を否決

県外ゴルフ・町長５割カットは不十分−臨時会

　日之影町議会臨時会は１８日に開会。県が、新型コロナウイルス感染症拡大対策の一環として県外への不要不急の訪問を自粛するよう呼び掛けていた感染拡大防止月間中に町長、副町長、町議会議長らが大分県竹田市のゴルフ場を訪れていた件について、議員からは批判や質問が相次いだ。

　臨時会には佐藤貢町長の給与を５割、工藤裕士副町長の給与を３割それぞれ８〜１０月の３カ月間、減額する町条例の一部改正案を提出。佐藤町長は提案理由説明の冒頭に「町民の皆さまに改めて深くおわびしたい。誠に申し訳ございませんでした」と陳謝。工藤副町長は質疑の中で「私の判断が甘くてご迷惑をお掛けしている」と謝罪した。

　しかし、議員らは「まず（１９日以前の）謝罪が先。即座に謝罪をしなかったことが問題」などと批判。また、「もしその場でクラスターが出ていたらどう対応するのか」などと危機管理体制を問う声もあった。

　採決の結果、賛成少数で否決。議会後、議員らは「提案された給与減額の金額が少ない」「否決の意味を重く受け止めてほしい」などと話した。佐藤町長は「責任の取り方として提案したが理解が得られずに残念。今後、議会と話をしていきたい」と述べた。

　また、動議によって、一水輝明議長に対する不信任決議案を賛成多数で可決。しかし、一水議長は「議決に法的拘束力はなく、この結果を真摯（しんし）に受け止めて襟を正し、今後とも議長の職責を全うしていく」と述べ、辞任しない考えを示した。

　議会後、同案に賛成した議員の一人は「潔さがない。議会がまとまらなくなる」と強調。議長を続けるとしても、報酬の減額など責任を取るよう求めていくという。

　臨時会では甲斐徳仁議員の今月３１日付での辞職願を許可した。甲斐議員は辞職理由について、「行政と信頼関係が築けないことが大きい。選挙で選んでくださった方々には申し訳ない」と話した。

　また、臨時会は７月の雨で路面が陥没した林道「二子山西線」の復旧に係る測量設計の委託費３００万円に関する専決処分１件を承認して閉会した。