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ココカラSDGs−第5回「持続可能なまちづくり×SDGs」(下)

本紙掲載日:2021-08-25
6面

▽食べて遊んで学んで、好きな仕事を選べる未来に−井手上さん
▽11月にキッザニア、イノベーション起こると動き出す−読谷山市長
▽大人として何を残すべきか、子どもたちと出会い変わった−難波さん

−−ここからは読谷山市長に伺います。

〈読谷山〉11月20、21日に予定されている宮崎県初上陸の「アウト・オブ・キッザニア・イン・のべおか」について紹介させてください。子どもたちが仕事を体験し、対価を受け取って、社会に貢献することを学ぶイベントです。SDGsの4番「質の高い教育をみんなに」、8番「働きがいも経済成長も」、17番「パートナーシップで目標を達成しよう」を同時に子どもたちに体験してもらい、「SDGsってこういうことなんだ」「全然難しいことではなくて、日常の中に組み込まれているんだ」と感じてもらいたいと思っています。
東京都と兵庫県にある子どもの職業・社会体験施設「キッザニア」の地域プログラムとして、延岡市の青年会議所、PTA、商工会議所青年部などの関係者で実行委員会を立ち上げ準備を進めています。当日は市役所がメイン会場となり、協力していただける24企業のブースが設けられます。われわれも一緒につくり上げているところです。

〈難波〉私も東京都にあるキッザニアに行ったことがあります。欲しいものを買うために働いて得た対価を貯金する子どももいました。キッザニアは遊びながら「仕事とは何か」を体感します。旭化成の井手上さんもキッザニアに思い入れがあるそうですね。

〈井手上〉私の子どもも大好きです。働いて支払われるキッザニアのお金「キッゾ」を銀行に預けることもできます。次に来た時に銀行から引き出したキッゾを使って、サービスを受けて遊ぶことができます。
−−なぜ「アウト・オブ・キッザニア・イン・のべおか」に取り組もうと思ったのですか。

〈読谷山〉SDGsを体験してもらいたいという気持ちが、もともとあります。延岡の持続可能性を考えた時に、子どもたちが延岡で働き、生活し続けたいと思ってもらうためには、延岡にある仕事や仕事の面白さを子どもの時から体験することが大事です。

〈難波〉あるデータでは、生まれ育った場所に帰ってくる「Uターンしたいまち」は47都道府県中、宮崎県が1位でした。地元が好きだという気持ちも大事ですが、Uターンして働く場所があることを知っておくことが、今やるべきことの一つだと思います。

〈読谷山〉キッザニアに取り組む背景には、人口流出に歯止めをかけたいという思いもあります。延岡の多くの企業は人手不足で雇用の場が増えています。実際、新しい企業の誘致もどんどん実現し、仕事の種類も増えています。しかし、市民ほど「ない」と思い込んでいるのです。そのことに一番気付いていないのです。そこで、延岡の職場を知ってもらう場としてキッザニアを楽しんでもらい、親子で認識してもらうことが大事だと思っています。
延岡では令和元(2019)年から3年連続で25〜39歳の人口が増えています。2年と3年は新型コロナウイルスの影響があるかもしれませんが、元年は発生前です。25〜39歳の人口が増えていることは、非常にチャンスです。

〈難波〉自分たちが持っているものを棚卸しして、それに磨きを掛けていくことがSDGsなのかなと常日頃思っています。SDGsと関連付けてキッザニアを企画されていることに大きな意義を感じます。

〈読谷山〉子どもたちに「こんな仕事なんだよ」と説明することで、大人にも気付きが生まれるのではないでしょうか。大人の気持ちにイノベーションが起こると、SDGsが動きだすのではないかと思っています。

〈難波〉先月、延岡市駅前複合施設エンクロスのイベントで、海の家をつくることを目標に活動している高校生とパネルディスカッションをしました。それを聞いていた参加者の中に小学3、4年生の子どもたちがいて、高校生に自分たちの意見を伝えました。高校生は自分たちより幼い小学生に言われたことで顔色が変わり、スイッチが入ったのです。子どもの力はすごいと思いました。
私がSDGsの啓発に取り組み始めたきっかけは出前授業です。子どもたちの可能性を見て、大人として何を残すべきか、どうすれば良いかを考えた時に、自分らしく生きていくことの大切さに気付いてもらうことが、今の時代を生きる大人の役割だと気付き、SDGsの啓発に取り組む会社を立ち上げました。子どもたちとの出会いで変わることができました。

〈読谷山〉キッザニアは子どもたちにとって「大人が輝いている場所が延岡にこんなにあるんだ」という新しい発見になります。また、大人にとっても子どもたちと触れ合うことで「自分たちがしていることはすごいことかもしれない」と誇りを実感し、自分の価値を再確認する場になります。
キッザニアが終わった後、子どもたちは目を輝かせて物事を見るようになるでしょうし、大人も胸を張って「自分たちの仕事はすごい」と思えるようになるはずです。

−−最後に、「ありたい未来」に必要なことを教えてください。

〈井手上〉私は子どもがおいしそうにご飯を食べたり、元気いっぱいに遊んだりする姿を見るだけでエネルギーが湧いてきます。「ありたい未来」は、世界中の人たちがおいしいご飯を食べて、遊んで学んで、好きな仕事を選んで就職できる、そんな生き生きとした社会になることです。
しかし、実現するために環境を破壊してしまうと持続可能とは言えません。農業などに関しては、すでに気候変動が横行しており、大規模災害が毎年のように起こっています。また、地域によっては病害虫のまん延や土地の力の低下などが起きています。一刻も早く全員で力を合わせて解決していかなければいけないことです。
そして、見た目のきれいな野菜にこだわったり、日付が新しいものにこだわったりする消費者の価値観や行動が、農薬や包装材の過剰な使用、フードロスを招いている実態にも目を向ける必要があると思います。
SDGsや持続可能な食料システムは、生産者だけでなく、事業者や消費者の理解と協力の上で実現するものです。人ごとと思わず、みんなでできることをできる範囲で行うことが重要だと思います。
私たち旭化成も事業者としてできることを全うし、SDGsの達成に貢献していきますので、応援していただけると幸いです。

〈読谷山〉旭化成がヘーベルハウスの技術から新しい活用を見いだしたように、自分が持っているものに目を向けていくことでSDGsが始まっていくことを、今回の話を聞いて学びました。
延岡市では「延岡こども未来創造機構」という新しい組織を今年度中につくる予定です。教育は学校、地域、家庭だけで取り組むものではなく、もう一つの新しい教育の仕組みが必要です。行政の市長部局で仕組みをつくって連携を取り、SDGsに関連するESD(持続可能な開発のための教育)を進めていきたいと思っています。
自分たちの歴史を振り返り、自分たちの地域が持っているものを肯定することで、新しいことに挑戦する人がどんどん増えていく、このプラスの循環をつくっていくことが大事だと改めて思いました。

〈難波〉自分が持っているものに気付くことは有機的に物事を進める上でとても大事なことです。新しくできる組織は、それぞれが持っているものに対して横串を刺し、かつ有機的に物事を動かしていく一つの大きな仕組みになっていくと思います。延岡はこれからますます面白くなりますね。

【第5回の出演者】
〈ゲスト〉延岡市の読谷山洋司市長、旭化成マーケティング&イノベーション本部マネジャーの井手上尚弘さん

〈アドバイザー〉SDGsコミュニケーター難波裕扶子さん(日向市)

〈ナビゲーター〉松田祐子さん(FMのべおか)

□第5回の再放送□
26日午後8時、29日午前11時からの2回。

□第6回の内容□
〈テーマ〉未来をはぐくむ防災×SDGs
〈ゲスト〉延岡市危機管理課地域支援係長の吉田昌史さん
〈放送日〉9月16日午後1時から
〈再放送〉9月23日午後8時から、同26日午前11時からの2回

【SDGs(エスディージーズ)】
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。「貧困をなくそう」「気候変動に具体的な対策を」など17の目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成され、2015年9月の国連サミットで加盟193カ国が合意して採択された。発展途上国だけでなく先進国を含めて取り組むもので、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓い、30年までの達成を目指す。四角形のカラフルな17のアイコンが知られている。

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