長年にわたりこつこつと

本紙掲載日：2021-09-30

6面

第４８回夕刊デイリー明るい社会賞

◆受賞した個人、団体の紹介

【個人の部】

◆幼稚園教諭の経験を源に活躍
渡部紀子さん（７５）延岡市山月町

「多くの皆さんに助けられて今があります。感謝しかありません」と、周囲への感謝の言葉が口をついて出た。
２００２年、３５年間勤めた市の公立幼稚園教諭を退職したが、「子どもが大好きで、子どもの成長を見守るのが生きがい」と話す通り、その後も「子どもと親の相談員」として、二つの小学校で児童の育成に携わった。地区の高齢者のためには「いきいきサロン」の立ち上げにも奔走。「子ども会があると、敬老会や地域がにぎわう」と、山月子ども会の設立も主導した。
忙しい日々だが「好きで、楽しんで動いています」と笑顔。地域のリーダーとして活躍できる源には、楽しいことを通じて〃人の和〃をつくる幼稚園教諭時代の経験がある。
（推薦者＝後藤忠夫・山月１区区長、西村洋文・岡富北民生委員児童委員協会会長、佐藤芳英・旭小中学校校区青少年育成協議会会長）

◆市内と地域に幅広く貢献
佐藤進一さん（７７）延岡市伊達町

延岡市公民館連絡協議会の会長として市内全２０８公民館のまとめ役を担いながら、地元地区では現在まで１４年間にわたり伊達町区公民館長と民生委員児童委員を務めるなど、地域のために幅広く貢献している。
高齢者を中心とした「安全パトロールＤＡＴＥ」の一員として下校児童の見守り活動を継続し、防災士資格も取得して災害時の住民避難・安全確保に向けた各種活動にも尽力。のべおか男女共同参画会議２１の副会長も務め、女性の就業環境改善などを推進している。
地域住民からの信頼も厚いが、本人は「自分では当たり前のことをしているだけ」と謙遜。今回の受賞を励みに「気力と体力がある限りは続けたい」とますます張り切っている。
（推薦者＝渡部昻一・伊達区区長、川中啓二・同区会計、木村英弘・同区文化部長）

◆３０代から地域・社会教育活動
髙橋憲二さん（６４）延岡市北一ケ岡

「長い間続いている栄誉ある賞なので、私が頂いていいのかと恐縮しています。受賞を励みに子どもたちの健全育成に努め、保護者にもっと教育への関心を持ってもらえるよう働き掛けていきたい」と、飾らない言葉で謙虚に語る。
１９８８年、３１歳の若さで茶屋区公民館長に就任。次女が小学校に入学した９４年から１２年にわたって一ケ岡小、土々呂中、延岡工業高校のＰＴＡ会長などを歴任し、学校教育を支えた。
退任後は市少年指導員の活動を開始。２０１０年以降は子ども会育成連絡協議会の市会長、県副会長、土々呂中校区青少年連協会長、下伊形区茶屋組長を兼務。行政と地域住民の間に立ち、社会教育活動に努めている。
（推薦者＝重黒木實行・下伊形区区長、松田勝則・延岡市議会議員、下野健治・茶屋区公民館館長）

◆地域福祉の充実に尽力
谷川英治さん（７４）延岡市平原町

「まさか賞を頂けるとは思っていなかった。自分よりもふさわしい人はたくさんいるので（受賞は）照れくさいが、健康に気を使って、これからも地区の活動を続けていきたい」とほほ笑んだ。
学校技術員として３５年かけて培った豊富な知識を、退職後は上平原区の自治公民館活動に生かし、地域福祉の充実に向けて献身的に取り組んでいる。
２０１９年からは上平原長寿会の会長に就任し、３７人の会員と共に高齢者が抱える諸問題の解決に尽力。また、約５年にわたりごみステーションの監視員を務め、公民館橫のごみの仕分けを毎週行っている。１７年からは、南小学校校区の見守り活動にも参加、下校する子どもたちを温かく見守る。
（推薦者＝山本盛男・上平原区区長、岡田恒憲・同区副区長、山本行一・同区会計担当）

◆地域に彩り、高齢者の健康増進
横井重子さん（８２）延岡市松原町

「受賞は家族や友人の協力のおかげ」と目を細める。
１９９８年に松原フラワー愛好会を設立し、公園の草取りや花の植栽を行って園内を明るく彩った。２００６年には松原見守り隊として、児童生徒の登下校を見守っている。１２年に結成した彩り会では、和紙や割り箸を使った灯籠作りの指導や作品展を企画し、好評を得た。１３年からは太極柔力球さわやか体操教室やハナミズキ女性学級を開き、高齢者の健康増進に奔走する。
知人から集まった多くのひな人形を松原公民館に飾る松原ひなまつりや松原町の福祉推進チームのリーダーとして高齢者を見回る活動にも奮闘。「これからも人を喜ばせたい」と、今後の活動への意欲を見せる。
（推薦者＝佐貫親孝・松原区区長、岩切寛躬・伊福形地区社会福祉協議会前会長、松田勝則・延岡市議会議員）

◆地域のため奔走するランナー
川口洋一さん（７８）延岡市西階町

「組織内の立場で当たり前のことをしてきただけ。それなのに、このような表彰を受けてありがたい。長年続けてきて良かった」と、謙遜しつつ喜ぶ。
２０１１年にさんさんクラブ南方の書記に就任し、毎月開催される会長会の資料作成や組織の改善などを推進し、地域活動の活性化に貢献している。
市民ランナーとしても知られ、０１年に延岡走ろう会の理事長に就任、１０年からは延岡市陸上競技協会の審判員になり、延岡西日本マラソンなどで審判員を務める。
また、１３年からは、自宅畑の周囲でいつも花が咲くようにツツジ、マリーゴールド、サツキなどを育てており、ウオーキングをする人や付近の住民に喜ばれている。
（推薦者＝佐藤晋一・さんさんクラブ南方会長、原田格・さんさんクラブ南方前会長、長渡靖夫・延岡走ろう会会長）

◆西郷隆盛資料館を管理・ガイド
夏田隆義さん（７５）延岡市北川町長井

延岡市北川町俵野の西郷隆盛宿陣跡資料館の管理人として、市内外から訪れる観光客に地元の歴史文化を広く伝える活動を行っている。またボランティアガイド団体「えのたけ会」の運営やガイド育成にも力を尽くす。
管理人に就任した２０１５年以降、年に１回は市外の西郷ゆかりの地を訪れて調査。実見に裏打ちされた緻密で分かりやすい資料、説得力ある語り口が、観光客から大いに喜ばれている。
日々の業務は来場者向けの館内案内のほか、ガイドのスケジュール調整、経理、美化活動など多岐にわたるが、忙しい中でも笑顔と自己研さんを絶やさない人柄は多くの人を魅了しており、地元住民やガイド仲間からの信頼も厚い。
（推薦者＝岩田数馬・北川町俵野区区長、岩瀬浩二・北川総合支所支所長、赤木正久・北川町区長連絡協議会会長）

◆神楽を受け継ぎ、次世代へ
甲斐定行さん（７４）延岡市北浦町三川内

季節工として県外で働いていた１９歳の時、同郷の先輩が楽しそうに神楽の話をするのを見て、帰延後すぐに稽古を始めた。
仕事を終えた後の毎晩の稽古はきつかったが、「本番でみんなが喜んでくれるのがうれしい。それがやりがいになった」。
１９９７年に始まった「城山かぐらまつり」には準備から関わり、後に実行委員会副会長にも就き、国内外の公演で舞った。歌糸神楽保存会会長としては、子ども神楽に取り組むなど三川内地区の５集落それぞれにある保存会の連携に尽力。歌糸地区の公民館長なども務めた。
「やっぱり神楽が好きじゃから。次の世代に継承せんと」。大好きな地元や神楽のため今も指導を続ける。
（推薦者＝山﨑洋一・城山神楽祭実行委員会会長、小西雄一郎・歌糸神楽保存会会長、山本亮二・三川内神楽まつり実行委員会会長）