「可愛い野菜たち」畑の応援歌できました

新名さんの詩に森山さんが作曲

　延岡市牧町の農業、新名光子さん（７４）が農業への思いを込めてつづった詩に、同市別府町の森山喜昭さん（７６）が曲を付けた「畑の応援歌可愛（かわい）い野菜たち」の音楽ＣＤが完成した。新名さんが農業を通じて得た感動や喜びを表現した詩に感銘を受けた森山さんが作曲、演奏、歌唱、録音のすべてを行って形にした。明るい民謡調の歌が、農業に従事する人たちへの応援歌にもなりそうだ。

　新名さんは農家に生まれ、物心ついた頃から農業に親しんできた。兼業が長かったが、仕事や子育てが一段落した後、改めて農業に精を出すようになり、現在は約５アールの畑でイモ類のほか、カボチャ、ハクサイなど多彩な作物を栽培している。この夏、日々畑仕事に汗を流す中で、湧き出るように言葉が浮かんだといい、初めて詩という形にした。

　７月下旬、７０代で始めたパソコンを使って印刷し、以前から交流のあった森山さんに、野菜を届けるのと一緒に「初めて詩を書きました。こんなものができました」と添えた。新名さんは「見てもらうだけ」のつもりだったが、森山さんは違った。

　森山さんは若い頃から音楽に親しみ、今もオールディーズの森山バンドのリーダー、津軽三味線森山流家元として活躍する。作詞作曲も手掛けており、地元延岡や県内の地域にちなんだ歌を数多く世に送り出している。新名さんの思いに感動すると同時に、詩に「歌いやすい５、７、５のリズムがある」と直感。曲作りに取り組むことにした。

　日々頭の中でイメージを描く森山さんに、８月のある日、詩の一節「私生きがい貰（もら）ってる」のメロディーが〃降りてきた〃ことで作業が進んだ。詩を曲に合わせるため、わずかに言葉を整えたのみの、ほぼオリジナル通りの歌詞で、明るい民謡調の歌に仕上げた。

　森山さんは、「（曲を作ってほしいと）頼まれたわけではありませんが、一目見た時に言葉のリズムが良いと思いました。考えながら、私も良い感じで曲がひらめきましたし、歌いやすい曲に出来上がりました」と笑顔。

　新名さんも、音楽という形になった詩に、「生活の中にある言葉を形にしてみただけですが、森山さんのおかげで、本当にうれしい。感激しています」と喜びをかみしめた。

　パソコンのほかデジタルカメラも使いこなすなどエネルギッシュな新名さん。「まだまだやりたいことや行ってみたい所がたくさんあります。私にとって詩は作ろうと思ってできるものではなく、自然に浮かんでくるものと思っているので、そんな時がまた来ればいい」。これからも自然体で日々の畑仕事に打ち込むという。

　タイトル以上にかわいらしい内容と歌詞に「ぜひ歌いたい」と、森山さんの長女美華子さんも録音に参加。森山さん歌唱とはまた違う雰囲気の美しい歌声を響かせている。ＣＤは男性歌唱バージョンと女性歌唱バージョン、それぞれのカラオケを含む４曲入り仕様となった。

◆ＣＤを１０人に

　森山さんは夕刊デイリー新聞の読者１０人に「畑の応援歌可愛い野菜たち」のＣＤをプレゼントする。希望者は、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を書いて、〒８８２―８５７７延岡市大貫町２丁目１３０２番地、夕刊デイリー新聞社「畑の応援歌可愛い野菜たち」ＣＤプレゼント係まで。１７日到着分まで有効。

「畑の応援歌−可愛い野菜たち」

一、今日は朝から良い天気
　　畑の草取り行こうかな
　　里芋かぼちゃに茄子（なす）キュウリ
　　可愛い可愛い野菜たちよ
　　私生きがい貰ってる
　　私生きがい貰ってる貰ってる

二、今日は朝からギラギラ陽射し
　　午後から夕立来るかもな
　　といもゴウヤにオクラにスイカ
　　大きく実った野菜たちよ
　　腰の痛さも忘れるよ
　　腰の痛さも忘れるよ忘れるよ

三、今日は朝からにわか雨
　　朝立ちゃ蔵が建つと言う
　　柿もミカンも喜んで
　　秋に実りを残してくれる
　　空は青く日本晴れ
　　空は青く日本晴れ日本晴れ