鳥インフルに備え
本紙掲載日：2021-11-04
3面
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日南市で家畜防疫演習−県
◆いよいよ渡り鳥飛来シーズン
渡り鳥が飛来するシーズンに発生が危惧される高病原性鳥インフルエンザに備えるため、県はこのほど、県庁防災庁舎を主会場に日南市の養鶏農家での発生を想定した家畜防疫演習を実施した。県や日南市、関係機関の職員ら約１７０人が参加し、発生した場合の防疫対応の手順などを確認した。
演習は高病原性鳥インフルエンザが発生した場合に迅速な初動防疫が行える体制を構築するため、渡り鳥シーズンを前に実施している。家畜防疫対策課によると、昨年度は本県で１２事例が発生した。今年度はすでに近隣諸国や諸外国で確認されており、例年以上に厳重な警戒が必要という。
演習は、�仝�や市町村の各対策本部の連絡体制や役割の確認��疑い通報から検査、確定診断、移動制限解除までの流れの確認�Ｈ�生農場での殺処分などの防疫措置の確認−が目的。今回は県が県総合農業試験場内（宮崎市佐土原町）に整備した感染症防疫資材倉庫の搬出作業の確認も加えた。
演習は想定の下、県防疫対策本部（県庁防災庁舎）、現地防疫対策本部（南那珂農林振興局）、市防疫対策本部（日南市役所）を結んで実施。農場や発生状況などの情報を共有しつつ、マニュアルに基づき防疫業務の手順や役割分担、本部と関係協力機関・団体との連絡体制の確認などを行った。
また、県総合農業試験場内の県感染症防疫資材共同管理倉庫では、県防疫対策本部から防護服１５００着、ゴーグル１６００個、マスク４６００枚などの資材を現地に運搬するよう指示を受け、備蓄棚から必要な資材をそろえてトラック荷台に積み込む搬出手順を実践した。
県農政水産部の牛谷良夫部長は「さまざまな家畜伝染病の国内への侵入リスクは非常に高い状況。常に発生した際の下準備、心構えを持つことが必要。あってはならないが、万が一、発生した場合の防疫措置が円滑に行われるよう、演習を十分に生かしてほしい」とあいさつ。
今回の演習で浮き彫りになった課題や各部署からの意見などについて、県家畜防疫対策課ではマニュアルに反映するなどして改善を行い、今冬の発生に備えて防疫体制の強化につなげていくとしている。