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東小が廃棄業者に搬入し判明
◆健康被害には心配ない線量−延岡市教委
延岡市教育委員会は8日、同市内の東小学校にあったサッカーゴールポストから放射線が検出されたと発表した。廃棄物として同市内の再資源物回収業者に運び込まれていた。この業者が県外の業者に搬入する際に放射線量が検出され、同日に連絡があった。市教委は、県保健所、国の原子力規制庁の関係機関の助言を受けながら対応、放射線量は人の健康に影響を与える線量ではないと分かったという。ゴールポストのあった同小の敷地内からも放射線は検出されていない。
◆現在、敷地内では検知されず
延岡保健所の測定で、ゴールポストの表面に密着した状態で最大0・038ミリシーベルト(毎時)。2、3メートル離れた地点で0・014ミリシーベルトの放射線量を検出した。
人の健康に影響を与えるとされる国の基準は、1年間の累積で100ミリシーベルト以上とされ、今回の線量であれば、1年間毎日20時間そばに居続けなければ国の基準に達しないため、延岡市教委は「問題のない水準と考えられる」としている。
また、東小が解体したゴールポストを置いていた場所と周辺の東側約35メートル、西側約5メートル、南側約3メートル、北側のプール壁面の範囲の表面と土、地中20センチの範囲の土についても調査。市消防本部の電離箱式サーベイメーターで放射線量を測定したところ、何らの放射線量も検出されなかった。
このため、市教委は校内には何ら放射性物質は残存していないとしている。ただ、念のため、ゴールポストがあった場所周辺は当分の間、立ち入り禁止とした。
市教委はゴールポストを旧火葬場に保管。なお、健康相談については、なんでも総合相談センター(電話延岡20・7105)で受け付ける。
◆県外業者に搬送、線量を検知−延岡の再資源業者・「とにかく驚いた」
ゴールポストが持ち込まれた延岡市内の再資源回収業者によると、今月5日に北九州市内の業者に搬入した際に入り口の検査で基準値以上の数値を検知、警報が出たという。
このため、延岡に持ち帰った業者は、放射線検出器を県外の業者から借り、敷地に置いていたゴールポストの線量を計ったところ、0・01999ミリシーベルトの数値が出た。同業者によると、借りてきた検知器の最大測定値は0・02ミリシーベルト未満で、「この検知器では数値が振り切った」という。
6日に市教委などに連絡した際は当直体制で、月曜日の8日に朝8時に改めて通報、延岡保健所からも連絡があり、午前中に検知器を持った職員が訪れて対応したという。
ゴールポストは、支柱が折られ、折り曲げるなど解体された状態で持ち込まれた。再資源回収業者が検知器をゴールポストに近づけると反応があり、遠ざけるとほとんど検知されなかった。また、支柱の内側に塗装のように張り付いていたものが割れ、粉状になった破片から反応があった。放射線を出しているのが、ゴールポストそのものか、その内部にあるのかは不明。落ちていた粉をきれいに除去すると検知されなくなった。現在は、敷地内で検知はされていない。持ち込まれたゴールポストは確認したところ、幅3メートルほどのゴールポスト2基分の支柱だった。
◆ゴールポストの使用は14年ごろまで
延岡市教委によると、東小のゴールポストは1981年1月に導入、2013、14年ごろまで使用していた。19年に解体し、同小のプールそばに保管していたという。
同時期に東小を含め5校で5基を導入していたが、いずれも廃棄されているという。