イオン延岡、恒富小が合同訓練

全国火災予防運動スタート

◆おうち時間家族で点検火の始末

　「おうち時間家族で点検火の始末」を統一標語に、９日から秋の全国火災予防運動が始まった。延岡、日向市、西臼杵広域消防本部などは１５日までの７日間にわたり、住宅防火対策や、乾燥時と強風時の火災防止対策の推進などを重点目標に、啓発や訓練に取り組む。

　このうち、延岡市ではけさ、特定防火対象施設や津波避難場所に指定されている旭町のイオン延岡店（小川恭次店長）と、近くの恒富小学校（鈴木泰昌校長、１８１人）が合同の防災訓練を実施。地震による火災発生と大津波警報の発令を想定し、屋上避難を訓練した。

　店内では営業時間中に震度６強の地震が発生し、１階総菜コーナーから出火したとして、店員が来店者の安全確保と避難誘導、初期消火などを分担。小学校では地震の揺れが収まるまで、児童が机の下に隠れて身を守り、運動場に集合した。

　その後、大津波警報が発令されたため双方とも、海抜約１３メートルのイオン屋上駐車場まで店舗南側スロープを上って避難。地震発生から津波到達まで１９分と設定していたが、参加した約３５０人全員が４分早く避難を完了することができた。

　訓練終了後には市消防本部がはしご車を使った、店舗２階駐車場からの人命救助訓練を披露。新たに導入された救助工作車の紹介もあり、子どもたちは高性能な資機材や隊員らの機敏な動きに歓声を上げた。

　訓練を見守った小川店長は「地域と一緒に実施できることは大変意義がある。当店は年２回の訓練に取り組んでいるが日頃が大事で、まずは消防法を順守して火災を出さず、お客さまの安全安心を最優先に対応したい」。児童の財部寛人さん（６年）は「大地震の時は慌ててしまうので、机の下に隠れたらまずは深呼吸をして落ち着くようにしたい」と話した。