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これだけのごみが散乱

本紙掲載日:2021-11-13
3面

沖田川河口−新浜町の海岸

◆目に余る現状、男性が訴え

 「毎月これだけの量が散乱しているんですよ」と延岡市内に住む男性(76)が示したのは、容量45リットルのポリ袋10袋分を優に超えるごみの山=写真=。男性は同市の沖田川河口付近−新浜町の海岸の一部で人知れずごみ拾いを続けているが、目に余る現状を知ってもらいたいと声を上げた。

 集められたのはペットボトルや空き缶、発泡スチロール製の食品トレーをはじめ、マスク、履物、インスタント食品や洗剤、歯磨きの容器といった生活ごみが大半。ビニール製のひもや海上ブイ、樹脂製の籠など漁業関連とみられる部材も目立った。

 川から運ばれてくるのか、潮の流れのせいかは分からないが、一帯の海岸にはほかの場所と比べて明らかに多くのごみが漂着。特に海のしけが続いた後は、目に見えて増えるという。

 男性は散歩で海岸を訪れており、10年以上前から毎月、一人で黙々と清掃。最近では地元サーファーの有志も同様に月1回、ボランティアで砂浜のごみを拾っているが、男性はさらに細かなごみも目に付き次第集めているという。

 その中で「最近になって年々増えている」というのが、いわゆるポイ捨てだ。海岸にはサーフィンや釣り客、たむろする若者らが訪れるが、飲み食いした後のごみの放置や、道路脇への投げ捨てがあまりに多く、男性は「誰が片付けているのか考えることはないのでしょうか」と憤慨する。

 最近では県外からのサーファーが体を洗い流すための水を入れてきた2リットルペットボトルが10本近く放置されているのを、2回続けて回収。「誰かが拾わなければいつまでも残ってしまう。私もどれだけ続けられるか分からない」と、将来の環境悪化を心配した。

 多くのごみが漂着したり廃棄されるが、誰が手伝うわけでもなく清掃を続けている海岸があることを知ってもらいたいという男性は、「住民みんなで気を付けながら、美しいまちにしていきませんか」と訴えている。

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