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釜萢氏が特別講演コロナの状況語る

本紙掲載日:2021-11-18
3面
昨年に続くオンライン開催となった日本社会医療学会の第22回学術大会

日本社会医療学会の学術大会−九保大で開催

 日本社会医療学会(代表理事・兒玉修九州保健福祉大学学長)の第22回学術大会は10月23、24日、延岡市吉野町の九州保健福祉大学であった。「新型コロナウイルスの感染防止と予防接種」をテーマに講演や個別発表などが行われた。

 感染症対策として昨年に続くオンライン開催。1日目は一般公開の公開研究会、2日目は会員対象の個別発表、教育講演、特別講演があり、合わせて15人が登壇した。

 このうち特別講演では日本医師会常任理事、厚労省コロナ対策分科会構成員で小泉小児科医院(群馬県)の釡萢(かまやち)敏医院長が講師を務めた。

 釡萢さんは新型コロナウイルスのワクチンについて、原則同一のワクチンを接種するが、1回目の接種後に重篤な副反応があるなど医師が2回目の接種が困難と判断した場合、1回目とは異なるワクチンが接種できることなどを説明した。

 今後の感染状況の見通しについては「第5波は非常に急激に全国で感染拡大が起こった。医療提供体制が逼迫(ひっぱく)して入院が必要にもかかわらず(病院に)受け入れられない人がいた」。

 一方で、その後、急激に感染者数が減少したことに触れ、「少なくとも私自身は8月末の時点では全く予想できなかった。もっと改善まで時間がかかると思っていた」と話し、「今後について正確な予測をすることは困難」と主張。「日本よりも先にワクチン接種が進んでいた諸外国においても、新たな感染拡大が見られており、わが国がそれを逃れられるとは思えない。従って今年の暮れ、あるいは来年の初めにかけて、感染の拡大が起こることをしっかり予想し、できるだけの対策を取っておくことが必要」と強調した。

 また、急激に感染者数が減少した要因を感染対策への協力や夜間滞留人口の減少に加え、ワクチン接種率の向上が大きかったとし、「接触機会が増えると新規感染者数のリバウンドにつながる。ワクチン接種者であっても、3密の回避、マスクの正しい着用など基本的な感染対策の徹底が必要。感染拡大の情報を早く察知しアンテナを高くし、体制を整えることが大事」と訴えた。

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