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緑ケ丘地区津波避難所−延岡工

本紙掲載日:2021-11-19
3面
活動報告会で自分たちで作った防災トイレを披露するシェルター班の生徒
手作りの防災グッズを花畑区長に贈るシェルター班の生徒

住民ら「裏門からは真っ暗で……」

◆それならと発足シェルター班−誘導灯などを設置区長招き活動報告

 全学科を通して避難所としての機能強化に向けた課題研究に取り組んでいる延岡工業高校(安楽耕三校長)「延工シェルター班」の生徒10人が17日、地元区長を招き、活動成果を報告した。

 同校は津波の緊急指定避難所だが、住民から「裏門からの避難は夜になると真っ暗でできない」という手紙が届いたのを機に、生徒が真剣に防災と向き合い、昨年夏に全6学科で垣根を越えたシェルター班を発足。各学科の強みを生かしながら、避難通路の安全確保や避難しやすい環境づくりを進めている。

 報告会には、学校がある緑ケ丘地区の花畑周二郎区長(北緑ケ丘区長)が出席。生徒らはシェルター班の立ち上げから、避難路にコンクリート土台のペットボトル避難誘導灯や外灯、案内板を設置した昨年度の取り組みを振り返り、学科ごとに今年度の活動を発表した。

 このうち、機械科は動かなくなったエンジン発電機を修理。電気電子科は電話通信の途絶に備え、屋上に無線用のアンテナを整備した。情報技術科は太陽光や人力で発電できるバックライト付きの掲示板と、地域の防災情報を発信するホームページを作成。環境化学システム科は火や電気が使えない場合も安全にこんろの代用となる発熱剤を研究し、完成させた。

 また、生活文化科は編みひもをほどいてさまざまな用途に使えるパラコードのブレスレットや段ボールベッドを製作。土木科は使わなくなったいすや段ボール、発泡スチロールなどさまざまな材料で防災トイレを作り、報告会では実物を披露した。

 発表後には自分たちが作ったパラコードブレスレットやろうそく立て、発熱剤など防災グッズの詰め合わせを花畑区長に贈呈。花畑区長は「延岡工業高校は住民にとって安心して避難できる身近な学校。いざというときには手を借りないといけなくなるし、若い人がアイデアを考えていただきありがたい」と感謝した。

 シェルター班は12月3日に、県内の工業系高校を集めて県体育館で開かれる工業技術発表会で活動事例を発表する。班長の椎葉健さん(土木科3年)は、「一つずつ課題に取り組んだがまだまだ足りないと気付いたので、僕らが卒業した後も続けてもらえたら」と期待を込めた。

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