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CO2排出量、実質ゼロへ

本紙掲載日:2021-11-25
3面
2030年度までにCO2排出量実質ゼロを宣言した江夏社長。左は江夏拓三専務(24日、霧島酒造本社で)
新たに導入したEV車。後方は焼酎かすリサイクルプラント

霧島酒造が宣言−30年度までに

 国内最大手の本格芋焼酎メーカー霧島酒造(本社都城市、江夏順行社長)は24日、焼酎の製造工程で排出される焼酎かすや芋くずを使った再生可能エネルギーの活用などの取り組みを促進し、2030年度までに工場や事務所の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにすると宣言した。

 同社は、2006年に焼酎かすや芋くずなど、さつまいも由来の副産物をバイオガスに変換・リサイクルする施設を建設。14年にはバイオガスを使った発電事業「サツマイモ発電」を開始するなど、副産物を活用した取り組みを進めてきた。

 また、同社ではバイオガスを焼酎製造工程のボイラー燃料に利用し、化石燃料の使用量を低減。蒸留工程で発生する温排水を工場設備の洗浄水や暖房に利用するなど省エネに取り組み、20年度時点で13年度比でCO2排出量約33%削減を達成している。

 今後は、本社エリアのバイオガスの自社供給量の増加や、志比田エリアのバイオガスの自社供給量増加と余剰バイオガスの有効活用、サツマイモ発電の自社利用などを加速させ、さつまいも由来のエネルギーのみでCO2排出量を13年度比で50%削減を計画。

 さらに、さつまいも由来のエネルギーを中心としつつ、他の再生可能エネルギーの調達などの検討を視野に入れながら、30年度までにCO2排出量の実質ゼロを目指していくという。

 取り組みの一つとして、同社は本社敷地内にサツマイモ発電の電力を利用できる3基の充電スタンドを設置するとともに、電気自動車「さつまいもEVe−imo(イーモ)」4台を導入。30年度までに社用車約130台をEV車に切り替える計画を立てている。

 また、この電力は都城市との包括連携協定に基づき、災害時の避難所の電源などにも利用できるという。

 24日、都城市の同社本社でプロジェクト発表会が行われ、江夏社長は「企業の環境などへの配慮が必要な時代であり、今後もより一層の環境への取り組みを加速していく。取り組みは地域の社会や環境を守るために必要不可欠。地域とともに発展する企業を目指したい」と話していた。

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