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2022年新春インタビュー(5)甲斐宗之高千穂町長

本紙掲載日:2022-01-11
3面

地域商社の発足を準備

◆観光で稼ぐ町づくりへ

−−昨年の総括をお願いします。

昨年は、2020年の町制施行100周年から新たな一歩を踏み出す年、活気を取り戻す年にしたいと思っていました。しかし、新型コロナに振り回された一年でした。大きなイベントもできず、観光客についても厳しい状況でした。
ただ、秋以降は個人旅行者や大型バスのツアーも戻って来たと感じており、県内は新型コロナも収束の兆しがある程度見えているのかなと思います。オミクロン株への強い警戒感はありながらも、早期収束への期待を持ちました。

−−新型コロナに関して、町への影響や町の対策は。

飲食業、宿泊業、タクシーやバスなどの交通事業者などへ大きな経済的影響がありました。また、昨年は東京五輪の年で県内の聖火リレーは高千穂町から出発しました。当初は、夏頃から東京五輪関連で多くの観光客が来るのではないかと期待していましたが、全国での新型コロナ感染拡大や長雨により夏休み期間は観光客が非常に少なく残念でした。
そうした中、経済対策として、時短要請協力店の対象にならなかった全業種を対象とし要件を満たした事業者へ町独自で1件10万円の支援金を出しました。交通事業者には、県の支援金に町独自の支援金を上乗せし、農業者に対しては営農継続補助金として1経営体当たり上限10万円の補助金を出しました。町民1人当たり5千円の全力応援商品券も配布しました。商品券については、小規模の小売店舗などで使う人も多く、事業者からも「ありがたい」との声を頂きました。
また、新型コロナワクチンの3回目接種については、昨年12月3日から医療従事者を対象に開始しており、高齢者施設等の入所者や職員などは2月中旬までに接種を完了させる計画です。65歳以上の高齢者は2月中旬から町武道館で集団接種を行う方向で計画を進めています。遅くとも6月までに集団接種を終了する予定です。
ワクチン2回の接種率は約91%で人口1万人以上の自治体では県内トップです。接種日を地域ごとにまとめたことで移動手段がない人たちが車で乗り合わせて来てくれました。そのようなことも高い接種率につながった要因と思われるので3回目も同じ方式での実施を考えています。地域の方々には、乗り合わせの配慮などをしていただいて本当にありがたいと思っています。

−−今年の主な政策を教えてください。

今、夏ごろの立ち上げを目指して地域商社「まちづくり公社」(仮称)の準備を進めています。地域商社で町内での経済循環ができる仕掛けをしていきたいと思っています。
また、4月に新規就農者が農業を学ぶ「高千穂ファーマーズスクール」を立ち上げます。JA、農業改良普及センター、生産者組合などの協力も得て、資材や住宅など一体的な支援ができたらと考えています。

−−今年の抱負をお聞かせください。

今年こそは新型コロナが収束して町制施行100周年のあと、飛躍の一年にしたいと思っています。観光で稼ぐ体制づくり、稼ぐ町づくりに取り組みたいですね。
地域住民や経済団体との意見交換を積極的に行い、アイデアを取り入れながら町が発展していけるように町を引っ張りたい。
私も就任して4年目です。これまでに種をまいてきた施策がしっかり実を結ぶことができるように「日々之(これ)挑戦」の精神でチャレンジしていきます。

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