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8年前の自分と〃対面〃

本紙掲載日:2022-01-11
6面

旧北方小卒業の新成人がタイムカプセル開封

 延岡市北方町の旧北方小学校を卒業した新成人が8日、母校に集い、8年前の卒業時に埋めたタイムカプセルを開封した。翌日に成人式を控えて久々の再会を喜びつつ、小学生の頃の自分と〃対面〃した。

 新成人は2014年3月卒業の同校110回生。同校は14年3月で閉校、町内の4小学校、1中学校が統合して小中一貫校「北方学園」に移行したため、最後の卒業生に当たる。全24人のうち21人と、小中学校時代の恩師3人が参加した。

 集合時間前から続々と集まってきた卒業生たちは、互いに大人っぽくなった姿に驚きながら再会を喜んだ。その後、卒業アルバムの写真や目印のコンクリートブロックを頼りに、男性が交代で穴を掘った。なかなか姿を現さないタイムカプセルに「実は掘り起こされたっちゃね?」「ここで合ってると?」と疑い始める場面も。1メートル以上掘った約15分後、アルミ製の四角い缶が姿を見せると、保護者も加わって一緒に喜んだ。

 中には将来の自分に宛てた手紙や全員の手形、卒業文集、DVDが入っており、当時担任だった湯浅泰晃教諭(50)=現・土々呂小=が一人一人の名前を呼んで手紙を返却。新成人は少し照れながら8年前の自分と向き合った。

 友人に誘われて参加した田邉凌二さん(20)=同市北方町、会社員=は、「懐かしかったし、昔のことを思い出した。当時は人としゃべれないくらいだったが、高校でいろんな人と話すようになった。そこは少し成長できたかな」。

 黒木蘭さん(20)=鹿児島市、大学生=は当時の手紙を読み、「字が幼かったが、教員になるという夢が変わらず、貫き通せていることにホッとしている。変わらない夢だからこそかなえて、立派な大人になりたい」と声を弾ませた。

 「(撮影時に卒業生たちが)マスクを外した顔を見て記憶がよみがえった」という湯浅教諭は「チャレンジができる、まとまりのいい学年だった。特に大雨の中で開催した運動会は見事で記憶に残るものだった」と、大人になった教え子たちに目を細めた。

 中学時代に教えた小野佳子さん(65)は「いい子たちはいい大人になるなと思った。保護者に大事に育ててもらったのだと思う。親にしてもらったことを、今度は自分の子どもにしてやってほしい」。橋口勝代さん(63)は「『北方から世界へ』をスローガンに頑張ってきた子どもたち。根っこが北方に、地元にしっかり根付いていてうれしい」と喜んだ。

 新成人は、現在は児童が使うことのなくなったグラウンドや校舎を眺め、懐かしそうに思い出を語り、大人としての誓いを新たにした。

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