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2022年新春インタビュー(7)−佐藤貢日之影町長

本紙掲載日:2022-01-13
3面

給食費など無償化実現へ

◆課題解決し「日の光射す町」に

−−昨年を振り返ってください。

昨年は、町が旧七折村と旧岩井川村が1951(昭和26)年1月1日に合併して70周年という記念すべき年でした。その中で、役場庁舎の新築移転が65年ぶりに行われて図書館、町民ホールを併設した複合施設として宮水の地に開庁したことは大きなできごとでした。
また、九州中央自動車道となる国道218号高千穂日之影道路のうち、日之影深角IC―平底交差点間が開通して、高千穂日之影道路が全線開通しました。これは長年、町の人々や各団体が要望活動をしてきた結果。皆さんに感謝しています。
とは言ってもやはり新型コロナの影響はあり、飲食業、宿泊業、農林商工業など全ての産業において大きな影響を受けました。

−−新型コロナへの予防、経済対策は。

予防対策は国、県の基準に沿って迅速に進めてきました。新型コロナワクチンの集団接種についても12歳以上は昨年9月中旬に完了。医療機関、保健センターなどの職員や関係者のおかげで早期に終わりました。
ワクチン2回の接種率は約91%。移動手段のない人は、社会福祉協議会の車で送迎するなど町独自で接種のための環境整備を行ったことが高い接種率につながったと思っています。
3回目のワクチン接種ですが、医療関係者の接種が昨年12月23日から始まりました。医療関係者、高齢者施設等の入所者などに続き、65歳以上の高齢者は2月上旬から接種を開始する予定です。

−−この他、新型コロナの影響はありましたか。

私が一番懸念していることは、町や各地区の行事の縮小、中止が人同士のつながりに大きな影響を与えているのでないかということです。
中山間地は人の横のつながり、共助意識で地域を守っています。例えば、春のお祭りや敬老会で地域の人が集まって互いに話したり慰労したりします。地域の神楽や歌舞伎などもそうです。それらが中止になることで、伝統や地域文化、人のつながりが薄れていく気がしています。これは、お金で解決できるものではありません。今、これをどうすべきか考えているところです。

−−今年の主な政策は。

昨年の選挙の公約でもある0歳から中学校までの医療費と小、中学校の給食費の無償化を3月議会に提案し、承認いただければ4月から行います。
自治体出資型の農業法人「ひのかげアグリファーム」は、職員を雇用することで組織強化を図っていきます。
中央地区の活性化についても来年度に役場旧庁舎などを解体しつつ、その場所の活用方法について基本構想、基本設計を進めていきます。
また、高齢者の免許返納も多くなっていますので、高齢者の移動手段や買い物支援対策にも取り組みたいですね。

−−今年の抱負をお聞かせください。

今年は「壬寅(みずのえとら)」の年。調べると「厳しい冬を乗り越えて芽吹き始め、新しい成長の礎となる年」という意味があるそうです。もしかしたら新型コロナが落ち着くのではないか、新たなスタートの年になるのではないかと期待しています。
日の光が射(さ)す土地を意味する「日之影町」という名前の自治体は全国に一つしかありません。町民、議会の皆さんとともに町の課題を克服し、名実ともに「日の光射す町」となるように頑張っていきます。

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