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新県立宮崎病院が開院

本紙掲載日:2022-01-13
2面
11日に開院した新県立宮崎病院。右奥に見えるのは旧病院
テープカットして新しい県立宮崎病院の開院を祝う関係者(11日)

機能拡充・強化より高度な医療提供へ−宮崎市

 県が建て替え整備を進めていた県立宮崎病院(宮崎市北高松町)が11日に開院し、現地で記念式典が開かれた。行政や医療機関、設計・施工業者、地元代表ら関係者約60人が出席。高度・急性期医療や新型コロナウイルスを含む感染症対策などが拡充、強化された中核拠点病院の開院を祝った。

 関係者によるテープカットの後、河野知事が「県民の皆さんの期待に応えることができるよう役割を果たしていきたい」と式辞。県医師会の河野雅行会長は「より高いレベルの医療を引き続き県民に提供していただけるものと心強く感じている」などと祝辞を述べた。

 続いて、桑山秀彦県病院局長が事業経過や今後のスケジュールなどについて報告。続けて、1921年に開院した同病院が昨年10月に開設100周年の節目を迎えた記念のセレモニーがあり、当時の振り返り映像や新たに作成されたロゴマークなどが披露された。

 また、豊富な経験と高い指導力で中核病院の確固たる礎を築いたとして、第6代院長の豊田清一氏と第7代院長の菊池郁夫氏に感謝状を贈呈。医師派遣や高度な技術指導など病院の医療を支えた宮崎大学医学部付属病院と九州大学医学部付属病院に対し、特別功労賞を贈った。

 嶋本富博院長は「当院の理念である『地域とともに歩み、良質で高度な医療を提供する患者さん中心の病院を目指す』をより具体的に実現するため、新しく生まれ変わった病院を十分に活用し、県民の皆さまに安心安全な暮らしを送る上での医療を提供できるよう職員一堂、努めたい」と謝辞を述べた。

 県立宮崎病院は、21年10月1日に宮崎県立病院として開設され、昨年10月に100周年を迎えた。新病院は、旧病院の老朽化で医療提供に支障があることや、基幹災害拠点病院としての機能強化を目的に、2019年5月に新病院棟の建設工事に着手、昨年9月に完成した。

 建物は「基幹災害拠点病院」として、免震構造の鉄骨造り8階建て(延べ床面積は約4万7600平方メートル)。洪水時の浸水に備えて1階床レベルを周辺地盤より1・5メートル高くしたほか、停電時の電力確保に複数の非常用電源を設けた。屋上にはヘリポートを設置した。

 救急や高度・急性期医療を提供する機能拡充として、救急病棟は旧病棟より7床増の30床、ICU(集中治療室)は6床増の12床、手術室は3室増の10室とするなど強化。手術支援ロボット「ダヴィンチ」を、宮崎大学医学部付属病院に続き県内2番目、県立病院としては初めて導入した。

 また、感染症対策が十分にできるようにするため、第二種感染症病床の個室を内科に6床整備するほか、小児科や精神科、集中治療室などにも陰圧室を整備するなど機能を拡充。ゾーニング(区域分け)や患者や医療従事者の動線の確保にも配慮している。

 今後は旧病棟の解体工事や外構工事などを経て、23年秋ごろのグランドオープンを予定している。総事業費は約360億円を見込む。また、旧病棟跡は駐車場を整備する計画で、現行の立体駐車場と合わせて駐車台数は約600台となる。

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