新型コロナ−長引く臨時休校

コロナ拡大−保護者から不安の声

◆延岡市教委、クラウド教材活用も検討

　オミクロン株による新型コロナウイルスの急激な感染再拡大に伴い、延岡市では臨時休校が相次いでいる。１週間近く休校する学校も出てきており、保護者らからは不安の声が聞かれる。

　市教育委員会は１３日からきのうまでに、市立の小学校５校と中学校２校で児童生徒への感染が確認されたことを発表。いずれの学校とも集団的な感染（クラスター）は発生していない。

　デルタ株の感染が広まった昨年の第５波と同様に、校内で１人でも感染者が確認された場合は、濃厚接触者が把握できるまで臨時休校の措置を取っている。ただ、オミクロン株の驚異的な感染拡大で保健所の追跡調査が難航しているため、休校日数は長引く傾向にあり、子どもが６日間登校できない学校も出ている。

　公立学校の一斉休校が相次いだ昨年と異なって、市教委は一律の対応ができずに苦慮。臨時休校となった学校は、早急に課題プリントを用意するなど、それぞれの状況に応じた学習指導や生活指導に追われている。

　このうち、ある小学校は翌日からの臨時休校に備え児童に宿題を配布したが、予定より休校が延長したためいったんは自主学習を指導。さらに休校が続く可能性が出たことから、学校で保護者へ追加の宿題を配布するとともに、一定学年以上の希望者にはタブレット端末を持ち帰ってもらい、用意した教育動画の視聴を案内したという。

　同校に通う児童の母親は、「ある意味、子どもはコロナに慣れていて外出することはないが、ネット動画やゲームの時間が増えて、朝起きたり夜寝たりする時間が不規則になっている」と心配。「うちは母（児童の祖母）が子どもの面倒を見てくれているが申し訳ないし、仕事を休まないといけない家庭もあるので大変だと思う」と苦労を語った。

　県内の公立学校には新型コロナなどに対応するため、全ての児童・生徒がインターネットを使ったオンラインでの遠隔授業ができる通信端末を配備。延岡市教委は不登校の子どもに向けたオンライン指導に取り組んでいるが、大人数の遠隔授業はまだ実績がないという。

　オミクロン株の感染が今後もさらに拡大して臨時休校が繰り返される恐れもある中、市教委は「オンライン授業ができる環境は整っており、クラウド（インターネット上でのサービス利用）の教材もあるので、活用を検討していきたい」としている。

◆休校以外の学校にも影響

　臨時休校になっていない学校でも、登校できない児童や生徒がいるために授業が進められないなどの影響が出ている。

　各市町村教委は同居する家族に風邪のような症状が見られたり、家族らが感染者の濃厚接触者と判定された場合や、行政指導でＰＣＲ検査を受ける児童生徒にも登校しないよう指導。その場合は「欠席」ではなく「出席停止」扱いとしている。

　このため、一定数以上の児童生徒が登校できない状態が続いている学校も多く、県内の急激な感染拡大でＰＣＲ検査をすぐに受けられない待機者も増え始めており、学校からは「なかなか授業が進められない」という声が聞かれる。


◆延岡市内の小学校１校を臨時休校に

　延岡市教委は１９日、市立小学校に通う児童２人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。

　児童２人は同一校で１７日が最終登校日。１９日に家族の陽性が判明したため、病院で抗原検査を実施。同日に陽性を確認した。

　学校の消毒作業は既に終了しており、濃厚接触者については保健所が調査中。同校は２０日、２１日の２日間を臨時休校にした。