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師走祭り、今年も縮小実施

本紙掲載日:2022-01-25
2面
塚の原古墳で神事する神門神社一行ら(提供写真)

迎え火中止「来年こそ盛大に」−美郷・木城

 美郷町南郷の神門神社と木城町の比木神社に伝わる百済王族の亡命伝説にちなむ「師走祭り」が22、23日、神門神社などで行われた。新型コロナウイルス感染症拡大を考慮して迎え火を中止、参加者も関係者のみとするなど規模を縮小して実施した。

 伝説によると、滅亡した百済から王族が日本に亡命し、父の禎嘉(ていか)王が日向市金ケ浜、長男・福智(ふくち)王が高鍋町の蚊口浦に漂着したとされる。祭りでは、比木神社の一行が神門神社を訪ねて巡行し、年に一度の再会を果たす。

 「上りまし」といわれる初日は、王族の長男・福智王を祭る比木神社の一行が午前に同神社を出発。父・禎嘉王が漂着したといわれる日向市金ケ浜に立ち寄った後、次男・華智(かち)王を祭る日向市東郷町の伊佐賀神社へ。神門神社の一行と合流し、王族父子が1年ぶりに対面した。

 2日目は「下りまし」。神門神社周辺で神事を営んだ後、全員で一本鳥居をくぐり、お別れ。神門神社の一行と比木神社の一行は、互いに「おさらばー」と大声で別れの言葉を掛け合った。

 神門神社の中塩屋敏幸総代(79)は「縮小してでも継続していくことが大切。来年こそはコロナが収まり、盛大に祭りができることを願っている」と話した。

 祭りは、異国の地で離れ離れに祭られている王族の御霊を慰める祭事。その昔、滅亡した百済から日本に逃れた王族が、しけで金ケ浜などに漂着。それぞれが奥地に入り、のちに神として祭られた。祭りでは、比木神社に祭られている福智王が、禎嘉王を祭る神門神社を訪ねて約90キロを巡行し、年に一度の再会を果たす。

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