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貴重な文化財、火災から守る

本紙掲載日:2022-01-28
2面
文化財に模した箱を社殿から搬出する高千穂神社の神職ら

神職らが訓練−高千穂神社

 「文化財防火デー」の26日、高千穂町の高千穂神社(後藤俊彦宮司)で火災を想定した防災訓練があり、神職やみこら8人が参加、初期消火や文化財搬出の手順などを確認した。

 訓練は、同神社境内西側の山林で火災が発生したとの想定で実施。参加者は119番通報や、水が入ったバケツや水消火器を使用した初期消火、文化財に見立てた箱の持ち出しなどを訓練。解錠の方法や搬出経路などを細かく確認していた。

 同神社には、国指定の重要文化財「鉄造の狛(こま)犬一対」「男神坐像(ざぞう)・女神坐像」など貴重な文化財がある。過去には、境内のスギが焼ける火災も発生しており、後藤宮司は「火災は初期にどう対応するかが重要。万全の防火態勢で文化財を守っていきたい」と話した。

 文化財防火デーは1949年1月26日、奈良県・法隆寺の金堂が炎上して壁画が焼損したことを受けて、文化財保護委員会(現・文化庁)と国家消防本部(現・消防庁)が55年に定めた。

 同神社での訓練は、毎年、西臼杵広域消防本部・消防署と同町消防団と合同で実施しているが、新型コロナウイルス感染症予防対策のため、昨年に続き今年も神社単独で行った。

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