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22日の地震−石仏、お堂9カ所被害

本紙掲載日:2022-02-05
3面
地震で崩れ落ちた「宮野浦八十八ケ所」のほこら(延岡市北浦町の宮野浦地区)=運乗博喜さん提供写真=
ほこらの復旧作業に当たる「おへんろ道を守ろう会」の有志(提供写真)
復旧されたほこら(提供写真)

宮野浦八十八ケ所−延岡市北浦町

◆地元有志復旧作業「倒れたのを初めて見た」

 先月22日未明に発生した日向灘を震源とする地震の後、延岡市北浦町のお遍路「宮野浦八十八ケ所」で、複数のほこらが倒壊していたことが分かった。

 地元有志グループ「へんろ道を守ろう会」(14人)の中井一萬会長(区長)が、当日朝に全長12キロのお遍路を見て回ったところ、88カ所ある札所のうち、9カ所で被害を確認。うち、6カ所は石板を組み合わせて建てているお堂が仏像もろとも倒れるなどしており、3カ所はお堂の石がずれたり傾いたりしていた。

 その場でできる範囲の復旧は試みたが、ほこらに使われている石板は1体だけでも、大人の男性1人で抱え上げきれないほどの重さで、後日、守ろう会の5人で作業。一日がかりで全て建て直したが、角が欠け落ちている石材もあったという。

 被害をもたらした地震は同22日午前1時8分ごろに発生。気象庁によると地震の規模はマグニチュード6・6とされ、同地区を含む延岡市などでは震度5強の揺れを観測した。

 ほこらの復旧作業に当たった運乗(うんのり)博喜さん(宮野浦神楽保存会長)によると、地元では墓石がずれたり屋根瓦の落下、水道管破損などの被害も発生。ほこらには昔の地震で崩れたような割れた石材も残されているが、「倒れたのを見たことはない」といい、「やはり震度3を超えると揺れが大きい」と振り返った。

 地区では毎年、旧暦3月21日に「宮野浦八十八ケ所大師祭」を開いており今年は4月21日が縁日だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年に続き規模を縮小して開催予定。普段からお遍路の参拝者は絶えないが、「この時期は枯れ葉で足元が滑るので気を付けてほしい」と話している。


■宮野浦八十八ケ所
延岡市指定文化財。江戸時代後期に宮野浦地区で疫病や火災の発生が続いたことから、京阪地方との交易で富を得た地元の中野忠之丞氏が1819(文政2)年に、四国八十八ケ所霊場の土と延岡で彫られた石仏を各地区に搬入して建立したのが始まりとされる。祭りは毎年、弘法大師忌である旧暦の3月21日に開催している。

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