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三重県熊野市からクマノザクラ

本紙掲載日:2022-02-11
2面
植樹式でクマノザクラの根元に土をかける十屋市長(2日、日向市役所)
連携協定の改正に関する調印式。協定書を手にする十屋市長と熊野市の河上市長(モニター)。

日向市、オンライン植樹式−70周年記念

◆囲碁と神武東征がつなぐ縁

 三重県熊野市と「碁石と神武東征がつなぐ協力連携協定」を結ぶ日向市は2日、市役所で市制施行70周年記念として熊野市から贈られたクマノザクラの植樹式を行った。市役所西玄関前に植え、両市の友好、明るい未来を願った。

 クマノザクラは、紀伊半島南部の熊野市周辺に自生するヤマザクラに似た早咲きの桜。専門機関の調査で約100年ぶりに日本のサクラ属の基本野生種の新種と判明し、2018年にクマノザクラとして命名された。熊野市は20年から「市の花木」に指定している。

 この日は、十屋幸平市長、黒木秀樹副市長、長友正博商工観光部長のほか、オンラインで熊野市の河上敢二市長、大西浩文副市長らが出席した。河上市長は「クマノザクラが両市の明るい未来の象徴となり、結び付きがより深まることを祈念したい」とあいさつ。十屋市長は、寄贈に感謝し、「春に花が咲くときには、市民が連携協定、それぞれの思いをはせてくれると思う。桜の花が咲くのが楽しみです。両市が連携を深め、明るい未来が開けることを願いたい」と話した。

 続いて、十屋市長、黒木副市長が植樹を行い、高さ約2メートルのクマノザクラの根元にスコップで土をかぶせた後、記念の銘板を設置した。

 また、式後には、両市が結ぶ同連携協定の改正に関する調印式もあった。これまでの神話と碁石のつながりによる協定に、新たに両市の市民交流を通じた文化振興、物産交流に関する連携を盛り込み、さらなる交流促進を確認した。

 熊野市は、紀伊半島の南東部に位置する人口約1万6000人の歴史と文化の都市。世界遺産の熊野古道、日本最古の祭祀遺跡の一つとされる花の窟神社などで知られる。

 両市は2016年10月、日向市が「お舟出の地」、熊野市が「上陸の地」とされる神武天皇東征伝説の縁と、日向市がはまぐり碁石の「白石」、熊野市が那智黒石の「黒石」と碁石の産地などで結び付きがあることから協力連携協定を締結。以来、両市の祭りなどに市民らが相互に参加するなど、交流を深めてきた。

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